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親知らず抜歯体験記 (完全埋没智歯・顎骨嚢胞摘出)

※私は歯科医師ではないため、素人の体験記としてご参考ください。

痛み始め~歯科へ

2023/6/2(金) 痛み始める

口の左下奥が痛くなったのは、金曜日の夜でした。寝ているときに突然猛烈な痛みが生じて、少し我慢した後、耐え切れずにロキソニンを飲みました。歯ブラシで歯茎に触れると痛みがあったので、その時はまだ、いつものように奥歯近くの歯茎が腫れているだけだろう、しばらくすれば良くなるだろうと思っていました。過去にも同様のことがあってそう思っていました。

2023/6/3(土)~ 歯科へ行く

激痛で寝られないまま翌朝を迎えました。すぐにかかりつけの歯医者に行き、左下顎奥の歯茎が痛むと伝え、過去と同様に消毒してもらいました。ボルタレン (鎮痛剤) も処方してもらいました。とりあえず安心して、その日は出かける用事があったので出かけました。日中は薬で痛みを抑えられるだろうと思って出かけてしまいましたが、やはり出先で歯が痛むのは辛く、後から出かけたことを後悔しました。

その頃の痛みの状況ですが、頓服としてもらったボルタレンを飲んでも効果が弱かったです。私の場合、ボルタレンを飲んでから30分後くらいに効果が出始め、大体2, 3時間程度は効果が持続しますが、それ以降は効果が切れてしまって、次にボルタレンが飲めるようになるまで激痛に耐える時間が続く・・・夜はまともに寝られない・・・悶え苦しむ・・・といった状況でした。また、痛みが強すぎて食欲はない状況でした。痛いときは気を紛らわすためにうがい薬でうがいをしたり水で口をゆすいだり、アイスノンで冷やしたりしました (後にアイスノンは使わないように、指導を受けましたのでご注意を)。

消毒してもらったものの、まったく良くなる気配がなかったため、親知らずが直接的な原因かと考えました。しかし以前より、かかりつけ医のクリニックでは下顎の親知らずの抜歯ができないことを聞いていました。妻の紹介で口腔外科を教えてもらったので、翌月曜日に行くことを考えました。

口腔外科での治療

2023/6/5(月)~ 口腔外科(1回目);レントゲン

月曜日、さっそく口腔外科に電話して事情を話し、緊急として当日予約をして行きました。レントゲンを撮ったところ、左下奥の親知らずが、歯茎の中で斜め下を向いた形で埋没していることがわかりました。また親知らず周辺に『黒い影』が写っていて、それを除去しなければならないことがわかりました。その日は何ら施術しませんでしたが、抜歯前提のもと、次回までに抗生剤と鎮痛剤を服用して、まずは炎症を抑えることになりました。鎮痛剤としてはロキソニンを1日3回、ボルタレンを頓服としてもらいました。次回訪問は 6/13、その時改めて CT をとることになりました。抜歯は 6/30 か 7/14 の予定としました。

私の場合 (歯のイラストは https://illustimage.com/ より借用)

私の場合、ロキソニンやボルタレン服用後30分~2, 3時間は効果がありましたが、それ意外の時間は痛みとの闘いでした。仕事も手につかないほどで、日中・夜間を問わず激痛が襲ってきて、夜は眠ることができない、薬を飲んだ後だけ2時間くらい浅く寝る、のような状況で、痛みもさることながら、睡眠不足で体が疲れ果てていました。また、歯痛だけでなく耳の奥の痛み、首(リンパ)の痛み、発熱もしていました。服用の時間間隔に注意しながらロキソニンとボルタレンを交互に飲む感じでした。あとはうがい薬、水で口をゆすぐ、やわらかい歯ブラシでソフトにブラッシング・・・こんな形で痛みに抗っていました。

2023/6/8(木)~ 口腔外科(2回目);薬の継続

抗生剤を飲んでから4, 5日で痛みは快方に向かうと聞いていたのですが、よくならない状況のまま薬が切れそうでしたので、6/8 にもう一度口腔外科を予約し、追加で薬をもらいました。6/10 頃からは痛む頻度が少なくなり、夜間に痛みで起きたときに頓服を1回服用するだけ、他の時間帯は通常に服用する薬のみで痛みに我慢できる程度になり、ある程度痛みが落ち着いてきました。あとは、抜歯の日時を確定する必要があるため、職場と抜歯日時を調整したりしました。

2023/6/13(火)~ 口腔外科(3回目);CT

6/13 に口腔外科へ行った際は、予定どおり CT を撮りました。先生より諸々説明を受けました。

抜歯対象が顎の骨に相当近く、さらに顎の神経と非常に接近しているか、もしくは既に神経の周りの骨が溶けており、抜歯後に痺れが残る可能性 (リスク) があること
② 『黒い影』は開けてみないとわからないが、『黒い影』に接近している隣の歯表面や顎の骨を溶かしており、顎の骨にはいくつか穴が開いていること (除去後、2, 3か月で骨は再生するとのこと)
③ 抜歯をしないとしても、『黒い影』の影響で神経に顎の神経に影響を及ぼすことは時間の問題であり、抜歯しないわけにはいかない状況であること
抜歯後に痺れというのは、麻酔をしたときのような痺れであること(私は以前左顔面ベル麻痺になったことがありますが、ベル麻痺とは別種の痺れであること)
⑤ 抜歯対象が深いため、手術時間は割と長いこと (30分~1時間)
抜歯後、盛大に腫れて、大きいアザが出ること
⑦ 術後は食事をしづらくなるので、ゼリー飲料やおかゆの準備が必要であること

などを、丁寧に説明してもらいました。この日はまだ痛みが残っており、さらに追加の抗生剤・鎮痛剤を処方されました。また、手術日は 6/30 にて確定、手術については保険が下りる可能性があることの説明を受けました。私の場合、手術の内容は『抜歯手術』と『顎骨腫瘍 (嚢胞) 摘出術』とのことでした。

6/14 の夜は、ようやく夜に一度も痛みに起こされずにグッスリと寝ることができました。6/2 ~ 6/13 まで、とにかく色々な痛みが出てしんどかったですが、ようやくここで一旦落ち着きました。

その後は保険が下りるのか保険会社へあらかじめ相談したり、他の方の親知らず抜歯体験記などを読んだり、抜歯前においしいものを食べたりして 6/30 になるのを待ちました。

抜歯当日~抜歯後

2023/6/30(金) 口腔外科(4回目);抜歯当日

手術当日は服に血が付着することがあるため、白い服は着ないよう事前に指導を受けていたので、黒いTシャツを着て行きました。11:00 に病院に着いたあと、入室前に体温測定抗原検査を受けました。さらに以前書いた問診票をもとに、麻酔利用に関して問診を受けました。

実際の手術開始は 11:20 頃。神経に近いところの手術なので痛かったら遠慮なく左手を上げるように、と温かい説明を受けました。痛み止めを服用し、麻酔を表面に塗られてから実際に切開をしました。注射による麻酔もしていたと思いますが、麻痺していて感覚がないためよくわかりませんでした。顔全体は口に当たる部分だけが開いているブルーのシートで覆い隠され、周りはまったく見えませんでした。なんとなくの感覚で歯茎を切開しているのはわかるのですが、麻酔が効いていて痛みもなければ切開している感覚もありませんでした。

私の場合、親知らずは『抜く』のではなく『少しずつ割る』でした。相当強い力で歯を割るため、顎の奥の方でそれなりに痛むときもあり、都度手を挙げました (追加の注射麻酔をしていたようです)。もちろん歯を割るときは顎の骨まで響くし、ボキボキと音が聞こえる程ですが、痛いときは遠慮なく手を上げますので、基本的に抜歯自体は痛くありませんでした。

手術中、長時間口を開けっ放しになるため、口は乾いてしまうし、途中から口呼吸をすればよいのか鼻呼吸をすればよいかもわからなくなってしまい、苦しくなって何回か「ぐほっ」となりました。

親知らずをすべて除去した後は、嚢胞を摘出しました。きれいに取りきるため、何かの道具で顎の骨を直接ガリガリしていて、非常に不思議な感覚でした。

最後に数針縫って、終わったのは 12:20 頃、結果として1時間かかりました。止血のためにしばらくガーゼを噛みました。私は毎日12:00にアラームをセットしているのですが、手術中にアラームがなってしまい、失敗でした (関係者の皆様、うるさくてすみませんでした)。摘出したものはその場で見せてもらいました。4, 5分割された親知らず顎の骨の一部そしてBB弾サイズの嚢胞。それらを見せてもらいながら、穴の開いた顎の骨が数ヶ月かけて修復されると、説明を受けました。

手術後、以下の指導を受けました。
・出血してしまうため、強いうがいはダメ
患部を舌で舐めない
・お風呂は軽く
・食事は食べやすいものを摂る

その日は薬を処方されて帰宅しました。術後は切り傷のような痛みがありましたが、単なるケガよりも痛くない程のものでした。痛くはないのですが、数時間後には盛大に腫れました

左が手術前、右が手術後(イメージ図)

顔を見れば腫れているのが一目瞭然な程に、テニスボール大に腫れました。四角く。外見だけでなく口の中も大きく腫れました。例えるならば口の中にゴルフボールを頬張っている感じでした。当然口も閉じず開かず、咀嚼も難しく、おかゆすら噛むことはできませんでした。ゼリー飲料万歳。

そしてその日の夜、重大なことに気づきました。私は右肩が四十肩で治療中なのですが、左顎が腫れたことにより右にも左にも寝返りができず、この日から数日間寝返り問題に苦しむことになりました。

2023/7/1(土)~ 口腔外科(5回目);消毒

手術翌日は朝からクリニックへ行き、腫れ具合を見せて、患部の消毒をしました。あとはいくつかの指導を受けました。
奥歯は1週間程度磨かない、その後様子を見ながら優しくブラッシングする
・奥歯を磨けない代わりに、うがい薬を使ってよくうがいをする
・腫れは引いてくると思うが、次第に青あざができる
・口が閉じにくく開きにくいため、口角にリップを塗るとよい

7/3 午前中頃になると、外見上の腫れは半減していました。ぱっと見では、あざは見られませんでした。口の中は相変わらず腫れていて、口の開閉は不自由していました。食事はおかゆ、うどん、リゾットなど、食べやすいものを小口で食べていました。

7/5 には外観的な腫れが目立たなくなってきましたが、口の中はまだ腫れていました。7/4 あたりからは時折小さな鈍痛がありましたが、6月上旬の痛みとは比較にならないほど楽でした。外見としては妻曰く、黄色いあざが出ている、とのことでした。

その後さらに、黄色いあざが次第に首側へ下がってきたらしいのですが、私自身は黄色いあざがあるようには見えず、その様子は観察できませんでした。

2024/7/8(土)~ 口腔外科(6回目);抜糸

7/8 の午前中に糸を抜きました。若干の出血はありましたが、痛みもなく、一区切りの安心感がありました。

その頃から恐る恐る奥歯のブラッシングを開始しました。恐れずに歯磨きができるようになったのは、術後3週ほど経ってからでした。

感想

これを書いているのは 7/31、手術後1か月が経ちました。6月は2週間程度の地獄を見ましたが、終わってみれば『抜いてよかった』です。歯科医の先生には、多々配慮頂きながら丁寧な対応を頂いて、感謝の言葉もありません。

そして大事なこと。親知らずは、痛くなってからよりも、痛くなる前に抜くべきだ思いました。もう片方の親知らずもどこかのタイミングで抜きたいと思います。

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