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【2023年版】医学部の年齢別の受験者数と合格率

国公立大学医学部の入学者年齢分布が大学基本情報として公開されており、以下のNOTEで2023年のデータをまとめました。

再受験生や多浪生など年齢を重ねてから医学部を受験する人にとってこのデータはとても貴重ではあるのですが、あくまでも入試の出口である「入学者」の年齢ということで、入試でどのようにふるい落とされたのかがわからないという意味では痒いところに手が届いていないのが正直なところだと思います。

全国の医学部横通しで痒いところまで手が届くデータというのは残念ながらなさそうなのですが、個々の大学で見ると山口大学医学部が公開している入試結果が非常に有用です。
医学部入試の志願者数、受験者数、合格者数、入学者数それぞれの年齢分布がホームページで公開されており、X(Twitter)に投稿したところ多くの反応をいただきました。

各年齢層でどれくらいの人が受験して、そのうち合格した(不合格になった)のがどれくらいかが一目瞭然ですよね。

2018年に問題になった医学部不正入試の影響か、山口大学ほど詳細ではないにせよ、年齢別の受験者数や合格者数を公開している大学が多くなってきています。
今回はそれらのデータをまとめて紹介したいと思います。


【総論】年齢別の合格者割合と合格率の全体像

大学によって年齢別の入試結果は大きく異なります。まずは、合格者の年齢分布や年齢に伴う合格率低下が大学によってどの程度ばらつきがあるのかを見ることで全体像を把握したいと思います。

データの公開の仕方も大学により様々であるため、できるだけ多くの大学を比較できるように入試区分は「一般・推薦を問わず全ての区分の合算」とし、年齢は「現役一浪」と「2浪以上」で区切ることにしました。

その上で、合格者のうち2浪以上が占める割合と2浪以上の合格率(対現役一浪の合格率)をプロットしたものが次のグラフです。右に行くほど合格者の中に2浪以上が多く、上に行くほど2浪以上の合格率が現役一浪に近い("1"で合格率が同じ)ことを示しています。また、右上に行くほど"合格者のうち2浪以上が占める割合"が大きくなります。

合格率は合格者数/受験者数で算出(2校のみ合格者数/志願者数)。
また、1校のみ2022年度の数値となっています。

①国公立大学(11校、青色)

多くの大学で2浪以上の受験者の割合は20~30%であることがわかります。グラフ左側、2浪以上の受験者が10%前後の2校はいずれも多浪や再受験に厳しいと言われる大学でした。

年齢に伴う合格率の低下(縦軸)は大学によってバラバラで、現役一浪と変わらない(1に近い)ところもあれば0.6を切るところもいくつかあります。

②私立大学(8校、オレンジ色)

2浪以上の受験者の割合は多くが25~40%であることがわかります。グラフ左側、2浪以上の受験者が20%以下の2校はやはり多浪や再受験に厳しいと言われる大学でした。

年齢に伴う合格率の低下は国公立大学よりもバラエティに富んでいて、概ね0.5~0.6付近ですが、現役一浪を上回る("1"を超える)大学や0.1未満の非常に厳しい大学も見られます。

③注意点

"年齢による合格率の低下"と書きましたが、この原因は一概には言えず、例えば以下のような可能性が考えられます。
・ 2浪以上に学力不足の人が多く集まっている
・ 現役一浪に優秀な人が多く集まっている
・ 異なる入試区分の合算が影響している
・ 面接などの評価に年齢が影響している
今回の数値だけでは原因の判断はできない(想像は膨らみますが)ことにご注意ください。

【各論】各大学の年齢別の志願者数・受験者数・合格者数・入学者数

続いて、個々の大学のデータを紹介していきます。
先ほどのグラフでプロットした大学に加え、データがそろっていないためにグラフに示せなかった大学もいくつかあります。私立大学はこれまでNoteやブログでまとめたことがなかったので、参考になるかと思います。

①年齢別の受験者数割合や合格率に特徴のある大学

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