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北米獣医師、資格取得への道 #16 CPE Day4: Necropsy & Radiology

CPEが終わってからもほぼ毎日、試験の夢見てる。悪夢…

5月26日はCPE最終日、necropsyとradiologyの組み合わせで気持ち的にはかなり楽になっていました。
Saskatoonのradiologyは今までの流れだと、胸部か腹部のレントゲンしか出されないと聞いたので、ポジショニングの勉強はしていかなかった。このセクションでは、ちゃんとレントゲンの条件を設定してキレイな写真を撮るのも大事だけど、safetyをかなり重要視しているので、そういうのを怠ると一発退場です。
犬は鎮静をかけられて寝ているので、だいぶポジショニングは楽だった。
流れとしては、主訴の書いてある紙を渡されて、それに沿って身体のどこの部分のレントゲンを撮るか決めてそれを撮影するという流れです。
私の犬の主訴は “咳” だったのでもちろん胸部レントゲン…ホッとしました。
ただやっぱりテストとなると普段やってる事なのに、ポジショニングのいろいろ細かい事が気になり始め、いつもの3倍くらい時間がかかった気がする。ちなみにVD像とLateral像、どちらも1回ずつ撮り直しができます。そして、シンプルにレントゲン撮るだけで、何も質問とかなし。もうほんとに撮って、提出する画像選んでおしまい。
ちなみにアメリカ、Vegasの場合は普通にshoulderとかめんどくさい部位が出るらしい。

という事でradiologyは無難に終わり、とうとう最後のnecropsy。これも伝統的にはネコしか出てきた事がないそうです。
そして私の動物もやっぱりネコ🐱
Necropsy用の服とブーツは全部支給されるので、何も用意する必要はなかった。
9人一度に部屋に連れていかれ、説明を受けた後一斉に剖検を始めます。持ち時間は90分で、しっかり流れを身につけていないと、この時間内に全て終わらせるのはキツい。私は最初、YouTubeだけ見てぶっつけ本番でいけるとか、無謀な事を考えていたんだけど、なぜかふと我にかえり犬と猫一体ずつ練習をしてから試験に臨みました。
Humane societyに連絡をすると、タイミングがよければ献体をもらえます。
あとYouTubeにSaskatoon のvet schoolのnecropsy があるので、ひたすらそれを見て流れを覚えていけば大丈夫 (necropsy WCVMで検索すると出てくるよ) 
道具はナイフ、メス刃、ハサミ、ピンセットと、あと小さい骨切り鋏がもらえるけど、ナイフはあまり切れなくて、メス刃をメインに使いました。
1番厄介だったのは心臓の解剖を試験官に説明しないといけないんだけど、ネコの心臓はかなり小さいし、手は震えるしで少し苦労した。でも、まぁ、とにかくYouTubeのビデオ通りにやれば何とかなる。中には肉屋で鶏とか豚の心臓買ってきて練習するって言う話も聞いた。
さて、全て順調に行き、時間より少し早めに終わって、そしてとうとうCPE全課程終了。
飛行機に乗って帰る途中、ふと精巣を取り出すのを忘れた事に気付き、あぁ、減点だなって思ってたらさらにもう一つ忘れたことを思い出した…ネコの頭落とし忘れた。necropsyの1つの要件として狂犬病の検査目的で頭部を切断しないといけないんだけど、メインの剖検に集中し過ぎて完全に頭のこと忘れてました。もう心の中は “fu*******ck!!!!!”っていう感じだった。バカすぎる。
もうそこから一気に気分が落ち込み、飛行機の中で寝ようと思ってたのに全然ネレナカッタ…
あとで試験仲間に聞いたら、頭落とし忘れても受かったってみんな言ってたから、他に大きなミスがない限り大丈夫かなとも思う反面、精巣も忘れたからどうかなぁ。落ちてないといいけど。メインのnecropsyが上手く行き過ぎて、もうほんとに落とし穴。バカっっっ!!!
試験官が最後にチェックしたときに “satisfied”って言ってたような気がするから、それだけが希望のつなです。
何しろ最大の緊張の中でテストを受けてるから、みんな何かしらどうしようもないミスをおかします。
一緒に受けてた人はradiologyで身体の厚さ測るの忘れてVDもlateralも一緒の条件で撮っちゃったと落ち込んでました。

まぁ、そんなこんなで最後まで落とし穴がありつつ、何とか4日間耐えCPEを終えました。何度も言ってるような気がするけど、まさに地獄。こんな辛いテスト、他に存在するのかなっていうくらい地獄。
誰もが口を揃えて “worst 4days in my life”と言っていました。
自信を持って受かったと言えるのはradiologyだけ。
4つ以上セクションを落とすと全部受け直し地獄なので、それだけは避けたいです。

もうsurgeryは落ちたのわかってる。他のセクションは, 心配な順からsmall animal → equine → necropsy → anesthesia, food animal とこんな感じ。
結果が出るのは、いつなのかよくわかりません。早い時もあれば4週くらいかかる時もあるらしい。

とりあえずテストの報告はこんな感じかな。
おじいちゃん、おばあちゃん、そしてご先祖様、どうか落としたのsurgeryだけにして下さい。お願いします。
ちなみにウチの母方の祖先は菅原道真さん。昔、左遷されたときに九男だか何だかが長野県阿智村に流されてきて、そこで現地妻みたいなのを作って出来たのがうちの祖先らしい。なので今もおばあちゃんちの実家の屋号は “菅屋 (すがのや)” です。面白いよね。という事で学問の神様、どうかよろしくお願いします。

まぁ、話は少しそれたけどテスト自体は以上、こんな感じです。
あともう一回、CPEについて一般的で私が行く前に知りたかった事や、勉強以外の準備についてnoteに書こうかなって思ってます。

この情報が誰かの役に立ちますように。これは北米獣医師試験の情報発信の先駆け的存在のゆふこさんから、託されたバトンだと勝手に思っている私の使命なので、後に続く人が少しでも楽に試験を受けれるように、たくさん応援したいと思っています。そして、この情報が役に立ったと思う人は、自分の経験と併せて次の人に出し惜しみなく回して上げてください。お願いします。

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