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あの子みたいに

なれるわけないのにね。

こんにちは。風見汐音です。

本日敬愛している友人が無事に誕生日を迎えました。おめでとう。
その人とは高校からの付き合いなので誕生日はもう5回祝っていることになりますかね。ええ、早いな。というか、出会ってからもう5年経っているんですね。いろいろなことがあったなあ。
敬愛している、ということはまあ語義通り私はその人のことを尊敬しています。とても。私と同じ年数しか生きていないのに、まるでもっと生きているかのようなちょっと達観しているところがあって、私は彼のそういうところが好きで、尊敬しています。
勿論、そんな彼でも悩んで苦しむ時があります。あまり見かけませんが。そんな時、たまに私とする会話が彼を助けているような気もして。そういうときがすごくうれしいです。やっぱり対等なんだなって思います。

彼みたいになりたいな、なんて思ったりすることもありました。でもなんか多分私がなるのは違うかな。思慮深くて、人のことを良く見ていて、それでいて気さくに話しかけやすい、なんて相手、彼じゃないとな~というのがあるので。

じゃあ私の人としての理想形ってなんだろう、と思うと、「あの子」ですね。
高校の時に書き上げた、今のところの私の最高傑作、『紫水晶の魔法』の主人公、リーラちゃんです。
彼女は、周囲の人間にとても恵まれ、そして能力にも恵まれています。ずっと生徒会に名前があるようなタイプでしっかりもの。上記の彼をモデルにした幼馴染と「双璧」と呼ばれています。
彼女は、「たくさんの大切なものを守りたい」という強い意志を本編中で持っています。全部を叶えたい、見方によってはわがままな女の子です。でも、彼女はそれを叶えるだけの行動力と能力を持っていて。彼女が原稿の上で、わがままに、自由に、でも信念をもって生きているのを眺めた時に、私はきっとこれが、この子が理想なんだなと思いました。私がモデルのはずなのに、現実の私からどんどん離れて、楽しそうに生きているリーラが、本当に羨ましいと思うくらいには。
彼女は、私の「こうできたらいいのに」「ああしてたらどうなっていたかな」をすべて詰め込んだ、理想の最上級です。本当に、宝石のようにきらきらと輝いて生きています。うーん、うちの子かわいい。

創作キャラに願望を込めることは多いです。TRPGのうちの子含め、彼女らは基本私の理想であったり、一部を抽出していたり美化していたりと様々です。
ただ私の基本的スタンスである自己犠牲の精神は全員持ってます。わーい。

「リーラぁ?」
「ケ、ケイス……?」
 タイミングが悪すぎるだろ、君。彼は満面の笑みで魔剤を私の手からひったくる。
「こんなんに頼るくらい魔力使ったの?」
「現在進行形です……」
「無理すんなって毎回言ってない?なんで?」
「今回は思ってたより多かったから、時間がかかっただけで」
「そしたらマーズのメンバーも呼べばいいじゃん、俺だっているし。月番だからって全部そっちでやる必要ないんだしさ」
「次から気を付けます……」
「それ去年一年間聞き続けた」

『魔法学校へようこそ!』より引用

「なあ、リーラ」
「何?」
「どうしていつも無茶ばっかりするんだ?」
「どうしてって言われても」
「自分がやれば、って思ってるんだろ?」
「それは……」
「図星だろ」
 私は何も言えずに下を向く。
「双晶だからって、気張る必要ないよ、リーラ」
「……」
「リラルテ様はたまたま危機に見舞われただけ。リーラは最初からここで生まれ育ってる。何回か危ない目にあったけどそれだけじゃん。大丈夫だよ、双晶だとしてもリーラは普通の魔女と何ら変わりない」
「……ありがとう、ケイス」
「クイーンが浮かない顔してたらナイト、ビショップ、ルークはおろか、ポーンにまで心配かけることになるんだぞ。いいのか?」
「よくない」
「じゃあ、笑顔で。辛いことはいつも半分こ、な?」
 幼いころからしょっちゅう互いに掛け合ってきた言葉。最近はゆっくり二人で話す機会がなかったからかその言葉は一層心に刺さった。
「そうだね、半分こ、しよ」

『魔法学校へようこそ!』より引用

リーラの自己犠牲のシーンの一部です。改めて見ると、いつも幼馴染(相談役の同期)にたしなめられるというあたり、けっこう事実寄りで面白い。
そして理想がこのあたりにもきちんと詰まっていて見ててしんどいですね。

こんな風にはきっと生きられないだろうけど、でもそれでも、リーラに近づいていけたらいいなとは思います。



アメジストの宝石言葉は、「真実の愛」「心の平和」「誠実」。
その奇麗な紫が似合うような人になりたいものですね。

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