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根矢涼香さんの屋根裏部屋のこと、"attic plans"のこと。

第一回の放送からWool Stringsの楽曲を流し続けてくださった、根矢涼香さんのオンラインラジオ番組「屋根裏部屋」が明日8/30の放送で一度ひと区切りとなるとのこと。一年以上の間、たのしませてもらっていた番組がしばらく聴けなくなることはとても残念だけれど、再開されるまでの間、その他の根矢さんの活動を鑑賞しつつ(まだ観れていないけれど「シュシュシュの娘」を早く観に行きたいのです)、いつの日か再び屋根裏部屋にお邪魔できるその日を、ゆっくりと待とうと思います。

根矢さんのプライベートな空間を意識して作ってこられた屋根裏部屋のBGMとしてお役に立てたこと、とても光栄です。ありがとうございました。またどこかで!

そして、書こう書こうと思いながらも綴る機会を逃してしまっていた、"attic plans"について、少しだけ文章にしておきたいと思います。

根矢さんには去年の夏くらい(つまりラジオが始まってわりとすぐですね)に、ラジオのBGMを制作してみたい旨の話は申し出ていて、すぐに制作に取り掛かったものの、僕の方の色々な事情、それから制作が進むにつれて秋と冬が深まっていったわけだけれど、後に"attic window"と名付けられた楽曲が、まるで春の最初の日みたいに開けた雰囲気に仕上がっていったことなどから、春のリリースに向けて調整していったのでした。

その間に、根矢さんはwoolのいくつかの既存の楽曲も番組で流してくれて、その中で"in the milk pond"なんかは改めて聴いてみると個人的には色々と気になる部分もあったので、番組でのオンエア用にミックスをやり直し、リズムパートなども差し替えたりしました。そんな中で、少しずつ、まとまった形で屋根裏部屋に関わる音源をリリースしてみたいな、という気持ちが大きくなっていったのでした。

"attic window"の話に戻って、その年の夏頃にはお声がけしていたtable music meeting石原敏行さんに、ベースのパートを依頼できたのは今年の2月のこと。すぐに対応してもらえてとても助かりました。ベースが入ったことでこの曲のドライブ感がとても高まったように思います。

同時期に、僕は"pale air"の制作をぐいぐいと進めていました。せっかく屋根裏部屋とリンクする形でリリースするのであれば、もう一曲くらい新曲があるといいな、と。この曲の元となるピアノのフレーズなどはおそらく2、3年前から断片的に録音していたもので、そのままではちょっと使いづらいなあ…と思っていた(woolでピアノが全面に出てくる楽曲は極めて少なくて、ピアノを全然弾けない僕にとっては扱いが難しいものでした)ものを、ドラムを後から重ねて、さらに展開をつけて鍵盤ハーモニカのフレーズなどを試行錯誤して入れていく中で、少しずつこの楽曲が指向しているイメージを形にできたのではないかな、と思います。

時系列はぐにゃぐにゃしますが、年明け頃、根矢さんにずうずうしくも、音源のアートワークを担当していただけないでしょうか…というお願いをしていて、快諾してもらえたものは本当に光栄でした。色々なやり取りの末に、あの"attic plans"のすてきなアートワークが生み出されました。ノスタルジックな質感の、絵と重ねられた刺繍(さらに重ねられた線画)。楽曲の世界観と共鳴するような(woolの世界でも「重ねる/重なる」は重要なテーマだと思っています)手触り/コンセプトの作品を提供していただけて、とてもうれしかったです。

その他の楽曲についても、少しだけ。
“ligno”は元を辿ると2017年に制作されたもので、その後壊れてしまったシェーンハットのトイピアノの音色が印象的な曲です。当時から曲の細かな部分が気になってしまいずっと寝かせていたのですが、とある技術の習得により、録音しなおさなくても(トイピアノを買い戻さなくても)世に出せる状態にすることができ、今回めでたくお披露目に至ったものです。

“new moon”は京都にあるすてきなお店の、とあるイベントのために2015年に提供した楽曲で、その当時、僕はインストゥルメンタルだけのアルバムをリリースしようとしていたのですが、その中の1曲となる予定だったものです(そのアルバムは幻のアルバム?としてお蔵入り…)。その後、Soundcloudにアップしていたものを、少しだけ手を入れて収録しました。個人的にはこの静かな世界観が気に入っています。

“warmth of the darkness”もSoundcloudでは配信していましたが、元は自由が丘の雑貨屋さんEckepunktにて2012年の9月から10月にかけて催された、アクセサリー作家lullさんの個展”yofukashi no mori”にあわせて制作されたコンピレーションアルバムに収録されていた楽曲です。今回、ミックスをかなり調整し、新しくピアノのトラックなどを追加しました。この曲の作業を夜にすると必ず眠くなってしまい、何度か寝落ちしてしまった、魔の曲です。

“viridian steps(2021 Yaneura-mix)”は”into the milk pond”と同じく、”two EPs and more”という最初期のアルバムに収録されていた曲のリメイクです。ドラムトラックを差し替え、一部のパートを色々と調整しました。

以上、リリースしてからずっとまとめておきたいな、と気になっていたので、こうした形にすることができて、少しほっとしています。

あらためて、こうした形でリリースまで持っていくためのモチベーションを与えてくれた根矢涼香さんと、ラジオ番組「屋根裏部屋」に感謝します。どうもありがとうございました!

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