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私の感覚は、理屈の遥か先をいってしまう

休学をして3か月が経とうとしている今、困っていることがある。

それは、「自分のことを、人に説明できない」ということだ。

6月に入り、就職活動を終えた友達と近況報告を兼ねてランチをしたりお酒を飲んだりすることが増えてきた。これまでは授業やアルバイト、恋愛の話で盛り上がることが多く、「進路」に関しては各々が大事に心に留めて「決まったら報告会をしよう!」で終わっていた。

今まで不確定要素が多かった「進路」。それが、6月に入って「決まった」。大学を卒業した後、みんながどんな道を進むことにしたのかがずっと気になっていたので、話を聞けることがとても嬉しかった。就活をしていない私は「オファーボックス」という機能や何月までに内定がもらえたら「早期選考」の枠なのかさえ知らないし、可愛い後輩にSPIの勉強法を尋ねられても答えることができない。それでもみんな、就活する上での共通言語をその都度説明してくれて、就活をしていない私にも分かるように、気兼ねなく、たくさん将来のことについて話してくれた。

私も初めましての人に自己紹介するぐらいの気軽さで、友達に「今の私」についてみんなに説明したい。みんなが将来どうしてその道を進むことにしたのかを説明するのと同じくらい、私も「今の私」についてみんなに伝えたい。でも「進路」に関する話になると、頭の感覚の部分をなぞるようにしゃべることしかできなかった。その場では話せていたのかもしれないけれど、振り返ったときに「ちゃんと伝えられたかな」と不安に思った。


「進路 」が決まっていないことに関して、ネガティブな感情はない。「このまま心の動く方へ動いて行けば、そこに何かあるような気がしている」という気持ちだけで、生活している。だから、「休学をして、この先どうなりたいのか・何を見つけに動いているのか」は上手く言葉にできない。「その企業にした決め手は?」と聞いたときに、「働く上で私にとって大事だったのが〇と〇だったんだよね。」と答えることができる友達のことを心底すごいなと思った。


「理屈は、あとからついてくるって言いますよね」


そんな悩みを、「なんか、どこかで聞いた話ですね。」と微笑みながら聞いてくださる社会人の方がいた。知り合いの写真家さんに顔も振る舞いもそっくりで、よく見間違えてしまいそうになる。バーの一階でコーヒーを淹れている従業員にも似ているらしい。アイスコーヒーを飲みながら、1時間半、超へたくそな「今の私」について聞いてもらった。「自分のことを説明できないばかりに、相手に上手く近況が伝わらず、『進路、大丈夫?』と心配されてしまいます。自分の精神状態はポジティブなんですけど。心配された時は、『上手く話せなかった』と思います。」と話すと、「僕もまったくそうでした。『東京の良い大学出て、喫茶店かよ』って心配されましたけど。理屈ってあとからついてくるんですよね。」と返してくださった。以前も聞いた話だった。「感覚の方が先で、あとから理屈が追い付いてくる」。まさに今の私の状況。先に光って後から音が鳴る雷みたいやなと思った。

話を聞いてもらった最後、「あなたの感覚が『良い』と思ってもらえるよう、『関わってよかったな』と思ってもらえるようなイベントにしようと思うので、ぜひ今度ともよろしくお願いします。」と言われて、こんな大人になりたいと思ったのは余談。

今は、とにかく心が動く方へ動く方へ、とことん流されていく期間。ひとにはなるべく迷惑をかけず、生きている自分にかかっているお金のことは考えて。友達や家族に、自分のことを満足できる状態まで説明できるようになるのは、まだまだ先のことかもしれない。それでもいつも仲良くしてくれて、この感覚の部分の言語化を手伝ってくれる友達や、大事にしてくれる家族には本当に感謝してもしきれないなと思った。




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