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頭がかたいながら、落ちた理由をさぐってみた

「厳正な審査の結果、
ご応募いただいた企画は残念ながら通過には一歩及ばず、
という結果になりました。」

一歩及ばずってどれくらいの幅で歩いての一歩なんだろうと思いながら受信トレイを閉じた。「このままの勢いで執筆仲間に報告したらめちゃめちゃ寂しさと悲しさ溢れる文面になっちまうわ」と、一旦頭を整理して翌日報告することにした。

6月から、出版甲子園という「学生による、学生のための出版コンペティション」にエントリーしていた。出版甲子園実行委員会は学生が運営しており、「こんな本を書きたい!」という出版企画を募集し、商業出版へとつなげる活動をしている。

私は、「休学」をテーマにしたオムニバスエッセイを考えていた。7月中旬に一次審査を通過して、「あ、意外とこういう企画は運営局側にウケがいいのかしら」と思って内容を詰めていたが、二次審査はあっけなく終わった。


出版甲子園にエントリーした目的は2つあった。
1つ目は、一冊の本が企画され、世に出されるまでの過程を実践を通して知ること。惜しくも二次審査までしかたどり着かなかったけれど、企画書を書くことを通して、企画の難しさやポイントをおさえることができた。

2つ目は、休学を決断したときの「やりたいことリスト」に「本をつくること」が入っていたから。その一つの手段として、出版甲子園を使っていた。本をとりまく環境に興味を持って休学した私にとっては絶好のチャンスだった。

結果が届いた夜は、この2つ目が達成できなかったことにしか目がいかず、「なんで休学してんの自分?」となっていた。ひとまず出版業界への興味から自分を遠ざけてみよう、と思っていたのに、「これで出版業界を考えるのは終わりかな」と、ずっと後ろ髪を引かれながらほかのものに目を向けていたこともわかってしまった。みんなのエッセイを本の形で読みたかったなとも思った。忙しい中一緒に企画書を作成してくれたみんなにも申し訳ないとか、頭の中をいろんなものがぐるぐるして、やーめたっとなり一旦寝た。

朝起きて、冷静に考えてみた。反省点を整理してみた。その反省(改善点)はずっとありながらも企画書作成を進めていたなと気づいて、あまり落ち込むほどのことでもなかった。改善点を改善したくなかったというのが、今回の結果につながったようにも思う。というのも、「読者の悩みや知りたいことを明確にし、本の中で一つの解を導き出して、読者に提示する」という本ではなく、「様々なエッセイがある中で、読者の心に刺さる言葉があればそれでOK」という姿勢だった。これでは読者の「読むときのエネルギー」がかかるし、見方によっては執筆者の自己満足本となってしまう。最近の「売れる」本でないことは承知していたけれど、なんとなくそこにあらがいたい気持ちで企画書作成を進めていた。その気持ちを残しつつも、「読める本」を作ることができる人もいるので、圧倒的力不足だ。

最近よく考えるのは、世の中にたくさんコンテンツがある中で、そのコンテンツの提供方法は、それが一番活きる方法がいいんだろうなということ。本ではなくて、ブログや動画、映画、写真、漫画、zine、はたまた今の世の中にはない方法があれでばそれでも〇
本が好きで(最近は読むことよりも、本が置いてある空間)、このコンテンツを本にしたらどうなるだろうを考えてしまうけれど、今回の企画は、zineにして大学の生協に置いてフリーで持ち帰ってもらったり価格帯を低く設定して大学生に読んでもらうくらいがよかったんだろうなと思った。

という反省をnoteでさせてもらって、もやもやを消化した。
そういえば私は来年も大学生をするから来年もチャンスがあるということに気づいた、というのを無理やりオチとして、今日も一日を生活しようと思います☻


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