腸炎について
こんばんは。
救急外来をやっていると、腹痛+下痢を無意識に急性胃腸炎s/oで片してしまう。そんな経験はないでしょうか?
自戒も込めて、急性腸炎はしっかり鑑別しよう!という記事です。
好酸球性胃腸症や腸管ベーチェットのような比較的稀な疾患を除いて、炎症性腸疾患(IBD)、薬剤性腸炎、感染性腸炎、虚血性腸炎は鑑別する必要があると考えています。
もちろん確定診断は内視鏡初見が大切で、炎症期には穿孔リスクもあるため救急の現場で確定診断をつけることは難しいですが、予測は可能です。
まず薬剤性と感染性については問診命!とりあえず便培養は出しておいて損なしです。
次に虚血性。典型的には「便秘がちの高齢女性の突然血便」で、炎症の主座は下行結腸あたり。つまり左下腹部痛が多いってことです。
最後にIBD特にUC。これ僕も忘れがちですが、なかなか治らない若年性の頻回下痢を見たら必ず鑑別に挙げるべきです。疑わないと絶対に見逃します。基本的に薬剤性であればほぼ問診で決めうちですと、感染性ならなにもせずとも勝手に治ります。ただ若年で続く下痢は要注意。ではUCを疑うポイントはどこか?考察してみました。
・血便はあるが虚血っぽくない。
・炎症の割にCRPが上がらない。
・ストレスの数ヶ月後。
・なかなか治らない。
ここら辺がkeyだと思っています。もし疑うのであれば、カルテに書いて、採血で赤沈も追加しておきましょう!
てわけで、超簡単ですが腸炎について書いてみました。もちろん虫垂炎は鑑別忘れずに!笑
ちなみにちなみに、腹痛を見たら消化器以外であれば、
泌尿器(尿管結石、精巣捻転)、婦人科(異所性妊娠、茎捻転、PID)、循環器(ACS、解離)、代謝(DKA)は緊急疾患なので覚えておくべしです!
ではでは!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?