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恋愛・人生観 エッセイ

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アバター恋愛や仮想世界を生きて、感じた思いを綴った単独記事集です。
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#女

2次元×リアル恋愛癖

物心ついた頃から身近にテレビゲームがあった 両親がゲーム好きだったから そういえば祖父母の家にもゲーム機があった記憶が残っている 根っからのゲーム大好き家族の元に産まれてきたってわけだ ドラクエのふっかつのじゅもんを必死で書き写すことでひらがなを覚えた ゲームごとに違う戦闘システムや技名、魔法名とその効果属性などを毎回覚えることで、高い暗記力を養うことができた 悪いやつは心正しき勇者がやっつけて世界を平和に導く王道ストーリーは、素直な道徳心を培ってくれた おかげで道

ポニテールに結いあげて

ゆりと言えば「しっぽ」だよね 代名詞になるくらい わたしの印象は ポニーテールに縛られていた 朝が巡る数だけ 後れ毛がでないように ぴたり乱れることのないように 上品にかつ聡明に 強く高く結い上げられてきた 子どもの髪は細く繊細で 頭皮も非常に柔らかい 強い力で引っ張れば 痛みを感じるのは当然だと 母は思わなかったようね 毎朝毎朝 地獄のような時間を 泣きながら耐えた 慣れとは恐ろしいもので 目がつり上がるほどに 痛みを感じるほどに 強く結い上げてもらわない

最期の部屋に飾るは「女の写真」

「元気?  」 引き戸を引いて、部屋の中に入ると 彼女は嬉しそうに振り返った 小さなテーブルとイスふたつ 簡単な飾り棚と介護用のベッド 隣の部屋に続くベランダの大きなガラス戸からは 部屋いっぱいに太陽の光が注ぎ込む 小さな部屋だけれど窮屈さを感じない とても清潔で明るく新しい部屋だった ベッドに腰を掛けていた彼女が すっと立ち上がり、わたしたちへ近づいてくる 「私はいいんだけどね、彼がね」 また、彼の愚痴がはじまる 持ってきたお茶饅頭の包み紙を外しながら 食べや

瞳の奥の女たち

軽く汗ばむ昼下がり 「のど渇いたね、コーヒーでも飲む? 」 あなたはわたしの手を引いて 地下の喫茶店に入る 少し顔が火照っているのは 陽気だけのせいじゃない 慣れないヒールに 気づかれてしまったかしら 昭和レトロを醸しだす薄暗い店内 ひんやりとした空気と クラシカルな音楽が 上がり切った心拍数を ゆっくり下げてゆく 「アルコールランプとか、懐かしくない? 」 店の雰囲気に合わせて ディスプレイされている調度品を 興味深く見まわしながら フラスコとか、試験管