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心歌集

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お一人お一人に向けた 心の手紙から始まった創詩集です。伝えきれずに残っているものも、伝えきったままのものも、伝えたくて新しく生まれてくるものも、心歌として吐き出しています。メロデ…
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#小説

ウミユリ -心歌-

重く 冷たく 心の奥深く 何も見えない 誰も気づかない 光の届かぬ 暗黒の世界 無数に咲き誇る ウミユリの花 ゆるり ゆらりと 餌を求めて 闇底を這い歩く 花びらと思っていたそれは あなたを陥れるための 触手 好きでいてくれないのなら そんな腕 切り落として差し上げるわ あなたに傷つけられた心なんて いとも簡単に再生するの あなたが何を言おうとも あなたがどんな顔をしようとも あなたが離れ去っていこうとも 枯れ切った岩肌に 必死にしがみつきながら 幾度とな

コトノハ

やはり、「気にしい」なのです 何気なくもれ落ちた言の葉 感情の全て 丸ごと吸収し  噛み砕いて 味わう 「どうしてその言葉を届けたの」 タイミングを逃し 時効となった思いが 眼に見える言の葉であふれかえる 想いが形となり 現実で可視化される 独特な記憶の復元が 自分と向き合う唯一の手段 自分を通して見えている 光り輝く感情世界を 日本語という美しい言の葉で 包み込んで放り投げて遊んでみる それが表現 わたしの見えている世界を 本物の想いで、本当の表現で 誰に気

壊れゆく音 ‐心歌‐

愛する者を 殺されかけた時 大切な物を 壊されかけた時 なぜわたしは 愛する大切な方を 自ら壊そうとしてしまうのかしら 崩れてしまうほどに だれかを憎んだことなんて 今まで生きてきて 一度もなかったから どう怒りを表して良いのか 本当に 本当に わからなかったの * 「本当に申し訳ございませんでした」 スーツを着た偉そうなオジサン達 申し訳なさそうに涙を浮かべるオバサン達 若い親に向かって 馬鹿みたいに 何度も何度も頭を下げている そんな大事になる

空と風に呼ばれて -心歌-

真っ青な空に浮かぶ 真っ白い雲 美しいコントラストを 覆い隠すように そびえたつ都会のビルディング ”約束は破られた” カタカタと揺れる窓ガラス 風がわたしを呼んでいる ラベンダー色の小さな花が咲きほこる 薄地のワンピースを纏う 少し動くだけで ふわりと裾が大きく揺れる こんな日はきっと歩きづらい けど、いいの お気に入りのハートのピアスを両耳へ 「泣かないで。いつものように明るくいて」 そう励まされる 一度は手元から離れていったはずなのに また戻ってきてくれたの