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もう幸せにはなれませんと 筆ペンで記されたみたいだ 全てかけて幸せから逃げたわけじゃないのに 「たまゆら」 indigo la End 藍楽詞集より 静まり返ったコンサートホールに 澄みわたる切なげな声音 そっと零れ落ちたしずくが波紋を描いていくように 鈍い痛みとなって心に広がっていく 「もう、幸せにはなれません」 その痛みは涙となって 気づかないうちに頬を伝って 手の甲にしたり落ちた 負わなければならない罪を しょいこんで 跛行をひいて歩く わたし
わたし 高いところがスキ ジャングルジムの てっぺんまで登り切った 達成感 爽快感 震える足に力を入れて がんばって ふんばって 両手を天に向けて仰ぐ 「風よ吹け」 心で念じれば どこからともなく 風が吹き荒れて 柔らかな茶色の髪を ふわっとなびかせた わたし 幼いとき魔法が使えたのよ 優しく隣で笑うあなた もう、あなたに手を握っていてもらわなくても 今はひとりで立つことができる わたし 高いところがスキ 虚栄を張った自分自身の存在も 今死にたくなるほど