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あなたの二番目にしてください〈全5話〉

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1話目無料公開です。オンラインゲームからはじまるリアル恋愛短編小説です。年の離れた男性との恋になり切れなかった恋のお話。現実世界で結ばれない”永遠の二番目”という愛のカタチ。素敵…
記事1話ずつの購入よりマガジン購入の方がお得です。他、別サイトにて無料公開されている話もありますの…
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忘れられた打ち上げ花火:第9話 「あなたの二番目にしてください #1’」

偶然に あなたに出逢えた その奇跡が 本当に歌詞にリンクして 運命的なものを 感じていたのは 一緒なの 「わたしもあなたの二番目にしてほしい」 *** >> ちょっとリアル(現実)で話がしたい ゲームでチャットが来たから わたしは仮想世界からログアウトして いつものように寝る体勢になってから LINE通話を鳴らした ゆったりとした優しいあなたの声が 今日はいつもより少し低めのトーンで聞こえる 「ねぇそれ、どういう意味?」 って ”わざと” 聞き返した 意

忘れられた打ち上げ花火:第10話 「あなたの二番目にしてください #2’」

奇跡って 起きたようにみえるかもしれないけれど 努力で起こす奇跡の方が大半だって あなたは知っていたのかしら *** あなたとの初めての通話は ひどく緊張した 緊張しすぎてあまり覚えていない アバター同士でチャットをするときの 元気なイメージとは少し違って ゆったりとした優しい口調だったことは ふんわりと覚えている 待ち望んでいたあなたの声 一緒にゲームをしながらの 通話ではあったけれども 気づけば通話は6時間にも及んでいた 止まることが珍しいほど チャットで

忘れられた打ち上げ花火:第11話 「あなたの二番目にしてください #3’」

はじめましてじゃない はじめまして アバターのあなたが 現実のあなたに置き換わる その瞬間が わたしはたまらなく好きなんだ *** 名古屋はよく訪れる場所だった 九州から関東・東北にかけての中間地点で 現実の冒険者たちが集合しやすいため いろんなオンラインゲームでオフ会の会場となる事が多い ”いつもの場所“ に少し安心することができた 定番の金時計前で 待ち合わせを指定した 結局お互いに顔はわからないままで ライブの日を迎えていた 実際の姿なんて どうでもよかった

忘れられた打ち上げ花火:第12話 「あなたの二番目にしてください #4’」

仮の世界の湖の前 仮の打ち上げ花火を 仮の姿のあなたの隣で見上げながら 夜通し聞いたあの曲を 未だって私は聴くの *** スモークが焚かれ、紫に霞がかった会場 ついにライブがはじまった 恋しきれない苦々しい歌詞が まるで自分たちを映し出しているような 錯覚を起こしてしまう そんな失恋ソングを得意とする アーティストのライブだった わたしたちはこのアーティストが大好きだ いや正確に言うと あなたが大好きな音楽 だからわたしも大好きになった音楽 あなたを想う歌詞が

忘れられた打ち上げ花火:第13話 「あなたの二番目にしてください #5」

想いがすれ違っていたね 声を掛ける勇気がなかったのよ 心から幸せになってほしいって 思える人に簡単に 巡り逢うことはないから 「応援してる」 握っていた手をゆっくり離すと 振り返らずに改札を抜け 新幹線に乗り込んだ *** 会場の外に出ると ひんやりと涼しい風が 火照った頬をそっと和らげてくれた 新幹線の時間まであと2時間ほど 初ライブの余韻を語り合うと思って 最終列車を予約していた あなたはさっとスマートフォンを取り出して 何かを急ぎ打ちこみ確認する 「公園