【談話】コロナ特措法等の改正について
2021年2月3日
社会民主党幹事長 服部良一
⒈本日、参議院本会議において新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案(特措法改正案・感染症法改正案)が賛成多数で可決し、成立した。入院を拒否した者や営業時間の短縮命令に応じない事業者に対する行政罰(過料)規定、依然として基準が明確でない「まん延防止等重点措置」などの問題点を含む改正案である。一方で、本改正案には都道府県知事が政府に対して緊急事態宣言の発出を要請できるようにする規定、臨時の医療施設の開設に関する規定、事業者や地方公共団体への財政上の措置・支援措置の義務規定など、昨年12月2日に社民党・立憲民主党・日本共産党・国民民主党が共同で提出した特措法改正案に含まれていた内容も盛り込まれている。これらについては新型コロナウイルスの感染状況に鑑みて、早急な成立が望まれる。さらに、与野党協議を経て”刑事罰ありき”の強権的な改正内容であった当初の与党案から全ての刑事罰が削除されるという前進もあった。社民党はかかる経過を踏まえ、改正案に賛成した。
⒉去る12月2日に社民党を含む野党4党が共同提出した特措法改正案の審議が行われていれば、緊急事態宣言が発出される中での性急な審議とはならなかったはずだ。野党案の審議をせず、安倍前総理の「桜を見る会」前夜祭をめぐる疑惑や菅総理の新型コロナウイルス対策の不備に対する追求を避けるためというあまりにも身勝手な理由で臨時国会を閉じた与党の責任は重い。
⒊本日行われた参議院内閣委員会・厚生労働委員会連合審査会では感染症法改正案に盛り込まれた罰則規定の立法事実が明確ではないことや特措法改正案に盛り込まれた罰則規定には適用基準の曖昧さをはじめとする運用上の問題があることが明らかとなった。社民党は罰則規定が恣意的、強権的に運用されないよう注視し、人権擁護に努めていく。
⒋特措法改正案・感染症法改正案をめぐり、ヤングケアラーやシングルマザーといった人々から、介護や育児を理由に入院ができない場合は行政罰(過料)を受けるしかないのかという不安の声が多く寄せられている。与党が提案した”刑事罰ありき”の特措法改正案・感染症法改正案が国民、とりわけ新型コロナウイルス禍以前から弱い立場に置かれている人々に不安を与えている。この点、政府・与党は猛省しなければならない。社民党は新型コロナウイルス禍を乗り越えるにあたっては罰則ではなく、補償・給付こそが必要であると考えており、その拡充のために引き続き全力をあげる決意である。
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