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【談話】通常国会のスタートにあたって

2021年1月22日                            社会民主党幹事長 服部良一

⒈ 1月18日第204回通常国会が幕開けした。菅政権の支持率が大きく下がり、また今秋まで必ず実施される総選挙を控え、最大の緊張感をもって国会・政治への対応をしていかなければならない。2021年は社民党にとって、新生社民党として再スタートし、組織を固め、国民・市民にしっかりとした存在感をアピールする極めて重要な年になる。

⒉ 菅総理の所信表明演説は、総理の覚悟が響かない空虚なものであった。今国民・市民はコロナ感染の広がりと緊急事態の発令の中で、いのちと暮らしの極度の不安の中に置かれている。GoToキャンペーンに執着するあまりコロナ感染対策が後手後手で、結果的にコロナ対策も経済も両方ダメにした失政に、国民・市民の怒りが頂点に達しているのだ。

⒊ 所信の中で「コロナ感染症を一日も早く収束させる」と言いながら、「外出自粛要請」をオウム返しに言うのみで具体策には何もふれない。社会的検査の実施、自粛要請に伴う補償の充実、医療体制の構築は待ったなしではないか。

⒋ ところが政府は新型コロナ感染症対策の特別措置法に事業者が時短や休業に応じなかった場合に50万円以下の行政罰を検討、加えて感染症法改正案では、入院を拒否した感染者へ懲役や罰金を科す検討をしている。もってのほかである。政府がやるべきことは、明日の生活も見通せない事業者や働く方々に生きるための補償をしっかりやることであるし、陽性と診断されても自宅待機を余儀なくされる人が1万人近くに上り、自宅で急死されている現状をいかに改善するのかが喫緊の課題のはずだ。総理のこだわりの「自助」の文言が所信の演説から消えたように、今国民・市民が求めているのは公共の役割、政府・行政がしっかり国民・市民のいのちと暮らしを守る決意と政策である。それが出来なければ東京オリンピックを「人類が新型コロナに打ち勝った証しとして」開催するなど夢物語で無責任だ。

⒌ 1月21日公職選挙法・買収違反の河合案里議員に有罪判決が出された。いまだに参議院議員として居座っていること自体がありえず、元法務大臣河合克行議員ともども即刻議員辞職を求める。同時に、買収の資金となった自民党本部からの1億5千万円の原資と使途の早急な解明が必要だ。

⒍ 菅政権は一体政治への信頼回復にどのような努力をしたのか。所信では「政治とカネ」の問題では唯一「桜を見る会」前日の夕食会についての虚偽答弁に謝罪したのみで、森友問題や河合議員夫妻の選挙違反問題や吉川元農水大臣の収賄事件などについて一切の言及はなかった。これでは政治への信頼が回復しないのは当然だ。政治への信頼も回復できず、コロナ感染や国民・市民のいのちやくらしへの危機意識もない菅政権を退陣に追い込み、政権交代への確実な展望を切り開いていかなければならない。

⒎ 1月20日米国ではバイデン新大統領が就任した。就任と同時に地球温暖化対策の「パリ協定」への復帰、「世界保健機関」からの脱退の中止などを決定した。国際協調を無視した「アメリカファースト」と議事堂襲撃事件で地に落ちた米民主主義から国際社会の信頼を取り戻すための新大統領の手腕に期待したい。しかし米国が過去そうであったように軍産複合体体制のもと世界の覇権を強化し、日本にも軍事一体化を強要するものであれば、断固反対していかなければならない。1月22日核兵器禁止条約が発効するが、核大国米国が核兵器を大胆に削減し、世界平和と地球環境のためにこそ世界のリーダーシップを執ることを期待したい。

以上


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