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SDGs目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の内容と事例を紹介します★

今回はSDGs目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」にスポットを当てて、その内容や企業の取り組み事例をご紹介します★

世界全体が持続可能な経済成長をする上で欠かせないことがまとめられている目標9は、どのような目標なのでしょうか?SDGsの基本内容と合わせて解説していきます。

■SDGsとは?|基本内容をおさらい

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SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標、エスディージーズ)は、「誰一人取り残さない」という宣誓のもと、2015年に開催された国連サミットで採択された国際目標です。

現代社会の問題を解消するために定められた17の目標と169のターゲットで構成されているSDGsは、2030年を期限として取り組まれています。

以下に17の目標をまとめましたのでご覧ください。

目標1「貧困をなくそう
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

・目標2「飢餓をゼロに
飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

・目標3「
すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

・目標4「質の高い教育をみんなに 
すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る

・目標6「安全な水とトイレを世界中に」 
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

・目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

・目標8「働きがいも経済成長も」
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

・目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

・目標10「人や国の不平等をなくそう」
各国内及び各国間の不平等を是正する

・目標11「住み続けられるまちづくりを」
包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

・目標12「つくる責任 つかう責任
持続可能な生産消費形態を確保する

・目標13「気候変動に具体的な対策を」
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

・目標14「海の豊かさを守ろう」
持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

・目標15「陸の豊かさも守ろう」
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

・目標16「平和と公正をすべての人に」
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

・目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

目標毎に設定されているターゲットは、目標を達成するに当たり実現しなけらばならないことが複数明記されているんですよ♪

▼SDGsの目標とターゲットまとめ!ロゴと共に紹介します

ターゲットは、世界の動向や深刻化している問題を調べるのにもピッタリ◎一度目を通しておくことで、普段のニュースからSDGsに関係していることかを知ることもできます。

例えば、日本で最近話題となっているタバコ規制やジェンダー平等、同一労働同一賃金、レジ袋有料化などがそれに当たります。

SDGsが私たちの生活に与えている影響は下記の記事を参考に★

▼SDGsが私たちの生活に与える影響と取り組みを紹介します!

■目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」内容と8個のターゲット一覧

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世界中の人々が快適で安定した生活をしていくためには、産業の発展や経済の成長が必要不可欠!しかし、これまでの大量生産・大量消費を見直すことも地球環境やサスティナビリティを考える大切なこと。

スマートフォンや自動車自動運転をはじめとする技術革新が目標9の達成に求められています。

ターゲットを見てみましょう!

9.1) 全ての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラを開発する

9.2)
包摂的かつ持続可能な産業化を促進し、2030年までに各国の状況に応じて雇用及びGDPに占める産業セクターの割合を大幅に増加させる。後発開発途上国については同割合を倍増させる。

9.3) 特に開発途上国における小規模の製造業その他の企業の、安価な資金貸付などの金融サービスやバリューチェーン及び市場への統合へのアクセスを拡大する。

9.4) 2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。全ての国々は各国の能力に応じた取組を行う。

9.5) 2030年までにイノベーションを促進させることや100万人当たりの研究開発従事者数を大幅に増加させ、また官民研究開発の支出を拡大させるなど、開発途上国をはじめとする全ての国々の産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる。

9.a) アフリカ諸国、後発開発途上国、内陸開発途上国及び小島嶼開発途上国への金融・テクノロジー・技術の支援強化を通じて、開発途上国における持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラ開発を促進する。

9.b) 産業の多様化や商品への付加価値創造などに資する政策環境の確保などを通じて、開発途上国の国内における技術開発、研究及びイノベーションを支援する。

9.c) 後発開発途上国において情報通信技術へのアクセスを大幅に向上させ、2020年までに普遍的かつ安価なインターネットアクセスを提供できるよう図る。

ターゲットを見てみると、持続可能な産業や技術革新とともに、レジリエントなインフラを整備すること、そして途上国にインターネットを普及させることを目指しているのが分かりますね!

ちなみに、9.1に明記されているレジリエントなインフラとは、天災などで被害に遭ってもスグに復旧できるインフラのこと。

先進国、途上国を問わず、レジリエントなインフラが実現すれば、万が一天災などがあっても国の成長を長期間止めずに済み、国民の生活を早期に安定させることも可能になります。

■目標9が必要な理由①「途上国のインフラ整備」

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日本に暮らしている私たちにはピンと来ないかもしれませんが、途上国を中心にたくさんの人々がインフラが整っていない中での生活をしています。

・基本的な衛生施設を利用できない人:約25億人
・水資源にアクセスできない人:約8億人
・安定的な電力供給を受けられない人:約26億人
・信頼できる電話サービスを受けられない人:10~15億人
・インフラの未整備により損失した企業の生産性:約40%
・途上国で加工される農産物:わずか30%(高所得国では98%)

(参照:国際連合広報センター|持続可能な開発のための2030アジェンダ採択 -- 持続可能な開発目標ファクトシート

インフラ整備が進めば、国民が豊かな生活を送れるようになるのはもちろんのこと、産業の発展にも繋がります。

産業の発展は雇用を生み出すことも大きな役目!

現在、世界では生産性が上がることで雇用が生まれれば、生産年齢人口に対する雇用が4臆7000件以上足りていない状況です。途上国で深刻化している貧困や飢餓、児童労働などのさまざまな問題の解決にも、産業の発展や技術革新が関係しています。

■目標9が必要な理由②「インターネットの普及」

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情報社会とも呼ばれる現代において、ICTは生活の一部にもなっています。ICTは最近多くのメディアでも使われている注目ワードですよね!

【ICTとは】
Information and Communication Technology(情報通信技術)の略称です。SNSやネットショッピング、検索など、インターネットを使った技術全般のことをICTと呼んでいます。

分からないことを調べたり、遠くの店から気軽に商品を注文したりと、人々の暮らしを豊かにするICT。しかし、インターネットの普及率で見てみると、先進国が80%を超えるのに対し、途上国では40%、後発開発途上国に至っては約18%と非常に大きな差があります。

情報格差が生まれる問題でもありますが、IT技術の進歩とともに、途上国にもスマートフォンが普及し、インターネットで繋がる環境が構築されはじめました。これも技術革命のひとつと言えますね♪

インターネットを普及させ、情報や知識に手軽にアクセスできる環境が整えば、国の成長のほか、満足に教育を受けられなかった大人や学校に通えていない子供たちにとっても多大な効果をもたらすはずです。

■企業による目標9取り組み事例①「NTT ドコモ」

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日本の大手スマートフォン事業会社であるNTTドコモはスマートフォンに必要な電波を送受信する基地局を日本全国に20万局以上設置。また、24時間365日チェックする体制を取っています。

こうした取り組みにより、イベントをはじめとする人が密集することで混雑してしまいがちな電波を調整し、私たちに安定した電波を届けています。

災害発生時には、基地局に備え付けた蓄電池を利用することで、停電時にも基地局を使える環境を整えているほか、災害時の拠点となる場所には、基地局を介さなくても使用できる衛星電話を貸し出しを実施。

災害時でも情報を得られる体制を構築することで、人々の安心に繋げています。

■企業による目標9取り組み事例②「JVCケンウッド」

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JVCケンウッドでは、イノベーション創出機会を目的とした、「イノベーションアクト」やスタートアップコミュニティ運営会社と連携した「技術アイディアコンテスト」などのプログラムを実施しています。

これらのプログラムは、社内で埋もれてしまった商品アイデアや新規事業構想などを提案できるもので、事業部の垣根を超えたコミュニケーションツールとして、社内専用サイトを立ち上げ気軽に提案できるのが魅力★

提案されたアイデアは、毎年20件「JVCKENWOOD Award」に選出されるほか、その中から、より優れたアイデアを3件選出して特別賞を授与。

【選考基準】
■収益性(Profitability/Productivity)
ビジネスの持続的な収益性が確保されているか。

■独自性(Originality)
競合他社とは異なるバリュー・プロポジション(一連の価値)が提供できているか。

■一貫性(Consistencies)
ビジネスの継続と、絶え間ない改善が方向付けられているか。

■変革性(Innovativeness)
製品、プロセス、経営手法におけるイノベーションが示されているか。

■ 持続可能性(Sustainability)
Society5.0を通じた、SDGs達成への貢献を意識した活動となっているか。 ESG(環境、社会、ガバナンス)による、企業価値向上に資する活動となっているか。

(参照:JVCケンウッド|イノベーション創出の促進

これらの取り組みは社員のモチベーションを上げるとともに、自社の経営を成長させるキッカケにもなります。

■SDGs目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」まとめ

今回はSDGs目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」を、SDGsの概要や企業の取り組み事例と合わせてご紹介しました。IT技術の進歩が途上国の人々の生活に変化をもたらしていることも知ることができましたね!

【この記事でご紹介した内容】
・SDGsは現代社会の問題を解消するための国際目標
・17の目標と内容一覧
・目標9の内容と8つのターゲット一覧
・目標9が必要な理由①「インフラが整っていない地域に暮らす人々」
・目標9が必要な理由②「インターネットの普及」
・ICTとはインターネット技術全般の総称
・企業による目標9取り組み事例①「NTTドコモ」
・企業による目標9取り組み事例②「JVCケンウッド」

SDGs採択前とは違い、サスティナブルな観点が求められる現代では、技術革新による産業の発展と生活の豊さを両立させなければなりません。

目標9の実現には非常に難しい問題がたくさんありますが、スマートフォンの誕生が途上国のICT普及率向上に貢献しているように不可能なものではなく、着々と進められています。

2030年には、世界中どこでもインターネットに接続できるようになっているかもしれませんね♪

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