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インクルーシブデザイン - Inclusive Design -

【YouTube Social Design online】
インクルーシブデザイン - Inclusive Design -

インクルーシブデザインとは、使い勝手を最適化させたり、専門家によるデザインの再設計や調整を必要とせずに、最初からできるだけ多くの人々がアクセスし活用できる、製品およびサービスのデザインを指します。今までデザインの対象から排除されてきた、子供・高齢者・障がい者など、全ての方々を「インクルーシブ(包括)」することから、インクルーシブデザインと呼ばれます。

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インクルーシブデザインを理解する上で、重要な考え方が2つあります。1つ目は、対象設定の考え方です。上の図の様に、インクルーシブデザインは子供・妊婦・高齢者・障がい者など「極端ユーザー」と呼ばれる人達を対象にしています。「極端ユーザー」が使えるデザインなら、平均的ユーザーももちろん使えるという発想です。

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2つ目は、「ダブル・ダイアモンド」と名付けられたデザイン行程の考え方です。こちらの図は、英国デザインカウンシル(第二次世界大戦後に設立された、英国政府のデザイン振興機関)から発信され、英国デザイン界で広く浸透しています。社会の課題が複雑であるからこそ、真に問うべき課題が何なのか?を探求し、デザインにするためのアプローチです。

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通常はデザインに対するお題・課題定義があり、そのお題・課題定義からクリエイティブな発想を広げ→アイデアを集約し→デザインが生まれますが、「ダブル・ダイアモンド」の考え方は、最初のお題・課題定義そのものが十分に考え抜かれたものかどうか?を、問い直すことから始まります。

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デザインに対するお題・課題を再定義するために、リサーチを行い→課題の視野を広げ→課題集約し→新たな課題定義ができます。特に、インクルーシブデザインでは「リサーチ発想」の部分で、共感主導型の人間中心リサーチを行っている事も、最大の特徴です。

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ところで、日本では「ユニバーサルデザイン」という言葉の方が浸透しているので、インクルーシブデザインとはどう違うの?という疑問にも、動画でお答えしています。デザイン用語の理解から、インクルーシブデザインが生まれた背景、そして具体的なインクルーシブデザインの事例をご紹介しながら、全ての人にやさしい社会を加速するためのヒントを得て頂ければ嬉しいです。

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次回予告|Helen Hamlyn Centre for Design インタビュー
講義動画公開日|2020年10月21日(水)
YouTubeチャンネル|Social Design online

【参照コーナー】
インクルーシブデザインや、ダブル・ダイアモンドについて、もっと知りたい!という方はこちらもおすすめです。

▼ ロジャー・コールマン教授が、レイチェルさんのキッチンをデザインした時のストーリーを自ら語っている、貴重な映像リンクです。





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