見出し画像

Mirage Diary

先日3rdアルバム「Mirage Diary」を出しました。


全曲解説とかいうのやってみようかなと思ったのでやってみます。


1、メモリーデイズ

 まず今回アートを依頼したなるめさんの3月の個展とそこに展開する
「平成メモリーデイズ」という一連の作品群が前提となってます。
告知動画を打ってて音が付けば…みたいな話をされてて勝手に
僕がBGMを付けた、っていうやつのフル版を入れました。


 ある意味今回のアルバムの初期衝動でもあり最初に着手した曲だったけど
完成したのは最後でした。自分で納得いかなかったのと相手の作品に
(勝手ではあるが)付随するものとしての完成度としてどうなのか…という
ので最後まで悩んでた。このアルバムの中ではそういう意味でも一番重要な
曲なので最初に来てます。元々ゲームのタイトルデモをイメージしてるのもある。

2、あさかぜ

 メモリーデイズがタイトルデモならこっちはゲームが始まってから流れる
OP的立ち位置、という感じです。今回の中でも個人的に好きな曲です。
海外の方がレビュー記事書いててくれてて見に行ったら列車の事だ、と
言われていたけど普通に朝風、朝に吹き抜ける風の事です、スイマセン…
ひらがなだったからかな。まぁ曲から得るイメージなんて人それぞれだし
全然それはそれでアリだと思いますが。
 まさにアートワークのような海沿いの町の朝に吹く風をイメージした曲で、一日の始まりを感じながら今日は何があるかなとか、そういう事を
考えてる時の曲です。

3、二度とは来ない夏

同じ夏は2度とこないし、人生で巡る季節は100回もない。っていう話、
まぁまぁよく聞くけどそう考えると無為に過ごしたくないなというか
ちゃんと何か記憶に残るような生き方をしたいなと思います。
まぁ僕は全然海とか行くようなアウトドアな人間ではないんですが
イメージとしてはあるので…。海に限らず今年は結構楽しい事が多かった
ので結果としてはよかったよかったという感じ。MAPPYの企画で朝まで
ライブして明け方にりょーたさんと苫小牧に帰って昼まで寝てバーベキュー
して温泉入ったとかね。あれ今年一番楽しかった夏の思い出だと思う。

と思って今見たら5月だったけどまぁいいだろ。旧暦なら夏だし。

4、Everyday moments

近くに住んでる映像クリエイターのまりるい君に誘われた企画「クリエイターズ忘年会」のED用に書き下ろした曲を少し手直しして収録。

これ後から参加者みんな若すぎてヒエ~となった。
高校の時の放課後とか昼休みに友達と喋った時間とか、そういう日常の中の
何気ない時間ってたまに思い出して今はもう経験できない事なんだな~と
思ってエモくなってしまうんですけど、かつてのそういう時間に向けた
曲です。当時はそういう事ってあんまり意識しないよね。後から思い出して
帰りたくなる。だからいつか今の楽しい時間もそういう気持ちで思い返す
時が来るんだろうし、今を楽しむのってすごい大事だなと最近とても思う。
あんまり後悔はしないように生きたいと思います。

5、忘れないように

昔は仲良かったと思ってた友人とか、昔好きだったものとか、意外と長く
離れていると思い出せなくなっちゃうんですよね。僕はそこまで交友範囲が
広くない人生ではあったんだけど、それでも思い出せなくなる事あります。
人は覚えていてもあ、この人と僕はどんな話をしていたんだろうとか、中々
思い出せない。なんて呼んでたかとか、そういう事から結構忘れていく。
アルバムの告知動画でも「消えてしまう前に書き留めておこう」という
言い方をしているけど、写真とか手紙とかメールとか、そういう「思い出す
きっかけになるもの」は大事にした方がいいなと思う事があります。
音楽にもそういう力があると思ってて、僕も結構人生の中で聴くジャンルが
変わったりしてたので昔聴いてた曲をたまに聞いて当時を思い出したり
してます。
技法的には前からやってみたかった1chで1番目と3番目、2chで2番目と4番目の音を交互にならして減衰を被せながらピアノとかギターっぽさを出す方法
を試してみました。これは2xLSDjならではの技法な気がする。

6、ビルと海岸線

都会っぽさのあるガールポップ的曲が作りたかった。都会と言えばビルだし
今回は全体的に「海の見える街」が情景テーマとして自分の中にあったので
安直だけどこういうタイトルにしました。サビで転調するガールポップ
聴いていいな~と思ったのでやってみたけどうまくつないで戻すのが結構
難しくて作曲凄い人凄いなとなった曲。

7、Night train

Chiptunes=WIN vol.7に提出した曲。夜汽車に乗って誰かに会いに行く曲。
イメージ的には冬の夜に蒸気機関車に乗って車窓から外を見てる感じです。
僕はあまり夜出歩くタイプではないんですが夜行列車ってなんか
エモいですよね。まぁ寝台で寝ちゃえばそれで終わりかもしれないけど、
行先や相手に思いを寄せながら夜を過ごすのは感傷的でいいなと思います。
最後に音が上がる様にしたんですけどあそこで汽笛とか入ったら最高な
気がする。この曲は特に構成的にもうまくできたなぁと思ってます。
大体ただ2回ループして終わりがちなので何か変化をつけたいなと常々
思ってる中でこの曲はちゃんとAメロとか転調後のサビの入りとか
いい感じになった気がする。

8、Love me

副題というか元のタイトルは「僕はスペースデブリ」だったんですけど
なんとなくで付けてた歌詞の名残です。宇宙に一人取り残されて彷徨い
ながら愛を探している曲ですこれは。
最近の1台使いの中では多分一番色んな技法練りこんでる曲になってるので
データ色々見てみると楽しいかもしれません(Bandcampで買うとLSDjの
.savが付いてきます)。

9、見えなくなるまで

別れの時に相手が見えなくなるまで手を振ったり振り返ったり、
そういう曲。キックのゴーストノート的表現を取り入れました。
1発目はE03、2発目はE02という感じで連打の強さを変えてグルーヴ感
あとはWAVでサイン波系の音を作ってサブリードにしてみたりした、
エモい曲はソフトリードで高音演奏させるとさらにエモくなるので。

10、変わらないもの

久し振りに行った町とか、普段あまり通らない道とか、たまに行ってみて
知らない間に建物がなくなってたり、見たことない店が出来てたりすると
なんとなく自分が流れに取り残されてるような寂しさを感じる事があったり
するわけですが、そんななかで変わらずにいつもある何かって結構安心する
んですよね。そういう何かに向けた曲です。それは建物かもしれないし、
あるいは人間関係における誰かかもしれない。変わる事も大事だけど
不変である事も大事だと思います。
前奏では1chと2chで同じパターンを使いINSTRUMENTのPU2 TUNEで2chの
音程のみを下げてハモらせる事でメモリの削減を図る技法を取り入れて
います。削減するほどメモリ使ってないから別にやる必要はないんですが
逆にこの技法を試す中で生まれた曲なので。

以上です。前作、前々作と少しずつ曲調が変わってる感じもしますが、
アートから得る雰囲気に引っ張られるので当然といえばそうです。
前作からは自分でアートを依頼する人を探して選んでいるので、
どちらかというとアートありきで曲が出来て行ってるんですよね。
僕25歳男性か?ってくらい部屋の壁に絵が貼ってあるんですがそういう
絵を見ながらそれを原動力にして曲を作る事が多いので。

とりあえず次もなんか違う感じのアルバムだすと思うんですが
宜しくお願いします。来年はSNESチップチューンもやりたいしね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?