STRKERS宣材写真

STROKERSという奇跡

脳卒中当事者を中心に結成したダンス・バンドユニットSTROKERS。

私はこのグループでベースを担当しています。

STROKERSが表現しているダンス・バンドパフォーマンスを私は奇跡だと思っています。

発症

最初に私の話をします。

私は、2015年夏に脳動静脈奇形を原因とする脳内出血を起こしました。

自宅で朝発症し、救急搬送されました。

発症直前までの私は、

仕事では大きなプロジェクトも任され、自身をマネージャーとするチームも組成され、プライベートではマイホームも購入して、第1子も産まれた直後。趣味では三バンドを掛け持ちして、毎月Liveをし、Music Videoを仲間と作成するなど、充実した日々でした。

そのさなかの青天の霹靂でした。


諦めてしまったバンド活動

すぐに救急搬送された私は、開頭手術を経て一命を取りとました。

術後、日が経って状況を理解した私に突き付けられたものは、右半身の麻痺と言う障がいでした。

回復期病棟では、車いすからトイレに移ったり、食事を片手でする練習から始まり、お風呂も介助される日々でした。

お見舞いに来てくれたバンドメンバーに、「もうバンドなんかできない。日々の生活に精一杯の身体」と涙を流しながら伝えた日もありました。

半年の病院でのリハビリの甲斐あり、退院する頃には、杖と下肢装具をつけて自分で歩いて帰ることができました。

しかし、退院後も、電車に乗ったり、階段を使って移動することを練習する日々で、バンドを再開する気は微塵も起きず、回復だけに集中していました。

脳フェスとの出会い

発症から1年ほど経ち、会社への復職も叶う頃には、自身の精神的な余裕も出てきました。ひとえに家族、親兄弟、同僚や友人の支えがあったからこその精神状態だったと思います。

そんな時に私が思ったこと、それは「脳卒中サバイバーとして社会に貢献したい」というものでした。

ネットで検索する中で見つけたのが、第1回脳卒中フェスティバルの開催に向けて支援を募っていた脳フェス実行委員会でした。

クラウドファンディングには様々な支援コースがありましたが、どうせなら、仲間になった方が面白いだろうと考え、「脳フェス実行委員会参加権」というリターンがついたコースで支援しました。


脳フェスの熱量

第1回目の脳フェス参加を通じて私が感じたことは、実行委員会メンバーの熱量でした。

「脳卒中になっても可能性は無限大!」を標榜し、「楽しい!をみんなへ!」を実現するために、脳卒中当事者や健常者の垣根なく協力してイベントを創り上げるメンバー。

そんな彼らに、胸を打たれた私は、2年以上も離れていたベースを再開する決意をしました。


ベース再開とSTROKERS結成

ベースを再開した当初は、演奏の感覚を取り戻すことに精一杯でした。

とくに、右上腕から右わきにかけての麻痺のせいで、弦の位置を間違えてしまったり、頭で解っていても速いタッチになると右手と左手でずれてしまったりと、フラストレーションも大きいものでした。

そして、重いベース背負って移動するには、下肢が不安定すぎると言う難点もありました。

ベーシストならベースを持って電車に乗るなんて当たり前なわけであり、移動ができないと活動自体続けられません。

そんな壁も、脳フェス実行委員会を通じて知り合った、他のメンバーとの出会いで簡単に乗り越えることができました。

最初のスタジオ練習で会った、片麻痺ダンサー鶴見さん、片麻痺ドラムス雅美さん。

私より遥かに麻痺の重い二人が、自分のダンス、自分の奏法を体得し、それを表現していました。

自分も負けてられない。

彼らに触発され、地道にベースに触れて感覚を学び、自主トレを通じて身体を改善し、杖や装具もなく、ベースを運び、電車に乗って移動できるようになりました。

STROKERSという奇跡

いま、STROKERSは、コンセプトに共感する脳卒中経験者と健常者が入り乱れて一つのパフォーマンスを創り上げる音楽集団への道を登っています。

このメンバーと過ごしていると、いくつもの奇跡の重なりがあって組成された集団だと痛感します。

あの日、死ななかったこと

ダンスや楽器や歌を諦めなかったこと、始めたこと

ハンデがあろうがなかろうが自分のスタイルを築いていること

脳フェスに出会ったこと

グループを結成し一緒にやろうと思い合えたこと

全員のやりたいことが重なっていること


一つひとつは ありふれことかもしれないです。

でもそれが、重なっていることを考えると、私は奇跡だと感じてしまうのです。

ここに集まるメンバーは、麻痺が重いとか軽いとか、障がいがあるなしは関係ありあせん。

「やりたいこと」、「好きなこと」で脳フェスを共に創り、

ステージで「表現したいことがある」、ただそれだけです。

このように文書にしてみると、すこし自分たち本位なグループのように感じるかもしれません。

しかし、その結果として、多くの反響を頂いています。

Liveを観に来てくださった障がいを持った方が、触発され、リハビリや社会復帰に向けて頑張ろうと決意されるきっかけを作ることができています。

これこそ、STROKERSという最大の奇跡だと考えています。

STROKERSのいま

今では、脳フェス以外のイベントにも呼ばれるようになり、Live実績も増えています。

[STROKERS 紹介動画] Live in ふらっとプラット2019 

今後のSTROKERS

きたる10月12日は、「脳フェス2019 in 名古屋」。

RockにLockをのせたダンサー鶴見さんのHalf Body Lockin'とセラピストダンサー達のパフォーマンス、そして発症や回復の頃を詩に込めたオリジナル曲を2曲ひっさげ、名古屋の脳フェスを盛り上げてきます。

さらに、その後も学園祭やアルバム制作などに向け、年末までフルスロットルで活動予定です。

今後のSTROKERSにご期待ください。

クラウドファンディング実施中

来月の脳フェス開催に向けてクラウドファンディング実施中!

本記事執筆の時点で残り4日。

実現まであと少し!!!

>>>クラウドファンディングはこちら <<< 

こちら、脳フェス2019in名古屋のPR Movieです。

ご支援の程、どうぞ宜しくお願い致します。


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