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東京都民に告ぐマイホームの考え方 ~いま中古マンションは買うな~

極力インターネット上で自身の職業について語らないようにしているんだけど、たまには有益な情報の共有ぐらいしておかないとね。日頃からしょうもない呟きばっかりしてますから、ここいらでバランス取っておきましょと、まぁそんな感じです。

というわけで、私銀行勤めなんです。もう10年以上銀行一筋なわけなんですけど(年齢逆算すんな)、職種が結構珍しくて。
支店勤務じゃなくて本部の人間なんだけど、本社なのかというと難しくて。んじゃあ銀行にありがちな出向なのかといえばそんなこともなく。ここについてはさすがに話せないんだけど、まぁファジーに説明すると、本社勤務じゃないけれど住宅ローンという個別商品と密に関わる仕事に従事しているわけであります。

要は不動産業者ではないけど、それに準ずる程度の知識と情報を持っていますよということを、これだけの文字を割いて説明したかったわけですな。以下の説明は素人の妄想ではないよという信憑性の話ね。

それでいて自身が不動産仲介が好きで関心があるから、不定期に市場流通物件を眺めたりするのよ。自分自身のことで言えば、もう土地購入は済んでいるし、なんならあと1~2ヶ月後にはマイホームが建つっていうのにそれでも見ちゃうんだよ。athomeを。SUUMOを。そして年が明けてもやっぱり思う。だめだ、都内の中古マンションが依然として高値で突っ張っている。これに手を出したらダメだと。

今回はこの中古マンション(都内)がいま、買い時ではないことに触れる。

マイホームが欲しいなと漠然と考える人が、まずはじめに考えるのが夢の注文住宅だろうか。コスト面は一旦抜きにして理想の住まいを描くと多くの人が注文住宅を真っ先に検討するだろう。晴れた日には知人を呼んでバーベキュー、庭で家庭菜園をはじめたっていい。新築マンションでも中古戸建でも実現できない、理想の間取りを手に入れる唯一の手段、それが注文住宅なのだから。でもご存じの通り都内の地価はもうずっとバグったまま。一般的なサラリーマンじゃなかなか手が出ない。無理して狭小土地を買ったところで、理想の間取りなんて描けやしない。

新築マンションも同様に狂った値段。2LDK 50㎡で億なんて割と珍しくない。その間取りでどうやって子育てするんだって話。一生避妊し続けなきゃダメな間取りに、俺は1億円は出せない。俺の価値観が許さない。そしてそれはきっと俺だけの価値観ではなく世の大半がそう感じているものと思っている。

【ご参考】アトラス白金台レジデンス(2LDK 58.13㎡ 1億3,898万円)https://www.athome.co.jp/mansion/shinchiku/122545/

というわけで注文住宅や新築マンションの夢破れたしがないサラリーマンの選択肢はだいたい以下の3パターンに集約される。
1. 建売
2. 中古戸建
3. 中古マンション

もちろんタウンハウスのような第4の選択肢があったり、そのほかにも例えば二世帯住宅のような裏技的なのはあるんだけど、挙げたらキリがないので今回はこれらに絞って触れる。

まずは建売。注文住宅が施主のオーダー通りの家を建ててもらう新築戸建なのに対し、建売はすでに完成した(または完成予定の施主がオーダーしていない)建物を購入する形態をいう。一般的に総額は注文住宅より割安になる。割安と書いておきながらこの割安に強烈な違和感を抱きながらキーボードを叩いていて、確かに注文住宅に比べれば割安で間違いないんだけど、全然安くない。いや本当に。個人的には後述する中古マンションと同じぐらいかそれ以上に今買っちゃダメなのは建売住宅だと思っている。ということで次~

次は中古戸建。中古戸建はものによる。というか、このあと触れる中古マンションもそうだし、なんなら全然話違うけど中古自動車もそう。中古と名の付くものはすべてモノ次第。いいモノも、そうでないモノも流通している。あなたにとっての旦那はきっと誰かにとっての元カレだし、そういうあなただって誰かの元カノな訳で、上手くいかなかったからお別れしたんでしょう。あなたにとって最良の相手じゃなくても、他の誰かにとっては最愛のパートナーなんだから、住宅だって大枠は同じ話。
これを言ったら人それぞれだよねで終わってしまうから、中古戸建の一般的な話に触れていくと、都心や繁華街にこだわりがなく、郊外に居を構えることに抵抗がなく、またその地に長く住む気があるなら選択肢としてじゅうぶんあり。都心に比べ郊外の方が地価が安いため、同じような建物でも郊外なら手が出ることもしばし。ただし新築に比べ中古は建物そのものに愛情が沸きにくい側面があるから、ひとたび小さな不満の種を見つけると、手放して引っ越したくなってしまうリスクがあるのは否めない。そしてその時に果たして流通性があるかどうかが最大のリスク。郊外の築古物件、誰が買うんですかっていう話とどこまで向き合えるか。手放したくても手放せないリスクがありますよっていう話をしています。

続いて中古マンション。今回最も触れたい部分。
タイトルにもある通り今は都心のマンションは買っちゃダメ。このことについて解説する。
再三触れているように都心の地価がおかしなことになっているってのは前述の通りで、その影響をモロに受けるのが都心部の注文住宅。親もしくは親戚の土地に家を建てられる人なら良いが、そうでない人はクソ高い土地代およびコロナ禍で高騰した木材資材設備費および人件費を賄えるだけの資金を用意するか、もしくは高額融資を受けるの2パターンしかなく、これが叶えられる対象としてはごくごく僅か、限られた人のみになる。
大事な話はここからで、夢破れた人の思考で「都心部に注文住宅」のどこを強調していたかで、その次の動き方が変わる。「都心部」のプライオリティが高い場合は中古マンションに流れ、「注文住宅」に重きを置く場合はエリアを変えて再検討することになる。
さてさて前置きが長くなったが本題。
中古マンションを買うべきでないと結論づけた主因は「都心部」に住みたい層が選択肢を失っているからである。

1. 建売
2. 中古戸建

先で触れた2パターンを簡単におさらいする。
建売は注文住宅に比べれば割安だけれど、手が出るレベルの値頃感になく、中古戸建はエリアの妥協ができるひとに限定される。都心部に住みたい人の選択肢が、もう中古マンションしかないというのがこの問題の根っこの話。

だからここのところずっと都心部の中古マンション販売価格は高止まりしている。(詳細は東京カンテイのデータベースでも見てくださいな)
需要が落ちない、需要過多だから値下げる必要がない。

いま都内で家が欲しい人は注文住宅か中古戸建でいい。基本は注文。いやいや土地が高くて手が出ないと言っていたじゃないかって?まぁやり方はあるんだわ。手間と時間がかかるけど。実際俺もそうやって家建ててるし。俺だってただのサラリーマン。コツがあるんですわ。(今回は割愛)

最後に。そうは言ってもいっさいがっさい中古マンションがダメと言いたいわけでもない。ちゃんと条件絞って検索すればそれなりの物件はある。ある特定の条件で検索した結果、1つだけまぁ買ってもいいんじゃないかって物件を見つけたので共有。

https://www.athome.co.jp/mansion/1067407869/?DOWN=5&BKLISTID=005LPC&sref=list_simple&SEARCHDIV=1

間取りは3LDKだけど3人がギリギリって感じではある。これ子供2人だとさすがにしんどいけど、下の子が小さいうちはこれでじゅうぶん。子供0~1人の30歳前後の夫婦が10年程度住むって割り切るならありなんじゃないかね。駅徒歩10分(総武線 小岩駅)は可もなく不可もなく。このエリアは水災のリスクを伴うけど、それもあって他のエリアに比べ値頃感。江戸川と中川に挟まれた地域で一見危険に思われがちだけど、更に西に走る荒川から離れているから実際にはそこまで神経質にならなくていい。荒川のほうが圧倒的にリスク高い。というかこれは考え方次第なのだが、荒川が頻繁に氾濫・水災を起こしているわけではないため、人によっては他の河川のほうが危ないという。ここで俺が述べるリスクは大災害リスクだ。氾濫した時、命に危険を及ぼすレベルの災害になるのは間違いなく荒川だということを言いたい。その意味でこの川沿いに住むことがどういうことか考えてほしいし、その意味で先で挙げた小岩の物件は荒川からは離れている点を評価したい。

ちなみに中古マンションを探した駅は「小岩」「亀戸」「菊川」「西大島」「木場」「両国」「蔵前」の7駅。
都内なら東東京が割安(前述)なのと、それなりの規模の駅の「隣駅」を狙うのがポイント。それなりに資力あるなら西側で買え。

おまけ
超絶ゴミ間取り物件を見つけたので紹介。こういう間取りは買っちゃダメ。

さてこの間取り、どこが問題か分かります?
ヒントはリビングです。確かに12.2帖のリビングは狭いね。ちなみにリビング12.2帖ではなくてLDKで12.2帖、つまりキッチン部分含めて12.2帖だから相当狭い。けど言いたいのはそこじゃない。

答えは、リビングできないリビングです。
水色に塗った部分は廊下の用途、黄色に塗った部分は扉前、これらの場所にモノは置けません。そうなると、この12.2帖のうち実際に使える有効部分はせいぜい5帖程度。ここにテーブルを置くことは出来るけど、じゃあテレビどこに置くの?
エアコンも左側になりそうでこれもマイナス。この家だとリビングで一家団欒するのは相当難しそう。食事の時だけ集まって、食べたらさっさと自室に散る、そんな生活が目に浮かぶ。

間取りで生活が決まると言って過言ではない。単純に専有面積だけで判断すると危ないということを覚えておくといい。

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