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大石静さんの描く男たちはイイわ~!

今期一番の推しドラマは、私の場合「和田家の男たち」

<大がかりに沈んじゃう話>とか、<恋愛&殺人事件>とかが話題だけど、実は今期はこの、「和田家の男たち」を一番楽しみにしている。

何たって、ホントにこの男たちが良い。

主演は嵐の相葉くん。

相葉くんの、人が良くて、煮え切らなくて、全然他人を否定しないゆるっとした感じが主人公・優のキャラクターイメージとぴったり。

優の父親・秀平が、佐々木蔵之介さん、祖父役・寛が段田安則さん。渋い、上手い役者さんがこれまた良い。

脇を固めてると言うより、この二人も主役なのだ。

父も祖父もジャーナリスト。優の亡き母の死の真相を追うために出世の道を駆け上がっている父と、死の背後にあった強大な権力のことを知っていて「優を守れ」という祖父。それぞれのギトギトさと、まったく無縁な優。このキャラクターたちの対比がとても面白い。

男性キャラクターを描くのは女性の方が良いんじゃないか?と思ったりする。男性の魅力を異性の目から見るわけだからねぇ。

しかも、異性の目ってのが脚本家・大石静さんの目だから、面白くないはずがないんだけど。

段田さん演じる祖父の寛は、仕事に成功した男独特の高慢さプンプンだけど、一面で女に振られて泣くようなメンタリティも併せ持っている。「典型的な昭和の老人ってこんなですよ」みたいなキャラクターを持ってこないところがさすが。

佐々木蔵之介さん演じる父も、すごく仕事が出来る人の如才なさを描きながら、一面ものすごく熱いマグマを秘めていて、それがまた何とも言えない男の色気につながってる。和田家の男たち、父と祖父はとってもセクシーなのだ。

逆に、まったくフェロモンを感じさせない主人公は、違う魅力で女性の心をそそる。料理が上手なのだ、彼は。しかも腕をひけらかすようなゴテゴテのメニューじゃなく、ちょっと向田ドラマに通じるような、家庭的でありながらちょっと手の込んだお惣菜なのがとても素敵。問題は夜中に食欲に火をつけられることかな。

そうそう、もう一人、素敵な男(の子)がいた。優の子ども時代を演じている潤浩くん。この子、1月の「書けないっ!」(生田斗真くん主演の脚本家の物語)にも出ていて、上手いんだよね。

潤浩くんだけで泣く、最近の子役はホントに演技が上手い。昭和の子役は、泣きの演技の時に「えーんえーん」としか泣けない子が多かったけど、今の子はちゃんとすすり泣いたり、ぽろっと涙をこぼしたり、嗚咽したり…演じ分けてる。演技指導のレベルが上がってるんだろうな。

子役と言えば、思い出した。昔々、まだフジテレビが河田町にあった頃、河田町の喫茶店でプロデューサーと打ち合わせをしていたら、ちょうど隣にオーディション帰りらしき女の子とお母さんが。お母さんが今日のダメ出しをしているところへ、プロデューサーが。

プロデューサーの質問に受け答えしていた女の子、緊張のあまり、会話の途中で飲み物をひっくり返しちゃった。お母さんは大慌て、プロデューサーは「良いんですよ」と事もなげだったけど、その女の子は火がついたように泣き出した。

オーディションの重圧がのしかかったのか、「なんて事しちゃったんだ」と動転したか、「ああ、これでダメになった」と思ったからか、それとも「お母さんに叱られる」とおびえたからなのか、久しぶりに聞いた子どもの号泣だった。

お母さん、ますますオロオロ。子ども、泣き止まない。プロデューサー、なだめるのに必死…の図を見て、つくづく思った。子どもの頃から「選ばれる」「選ばれない」の結果を受け止め続けるのってホントに大変じゃないかと。大人だって、何かに落ちたら、いや、ふるいにかけて落とされたら、そしてそれがずっと続くのだと思ったら…ぞっとする。

オーディションの結果の受け止め方まで、今の子どもは教えられてるのかなあ。だといいんだけど。

ともあれ、「和田家の男たち」、最後まで絶対追っかける。この男たちが更にどんな面を見せてくれるのかがとても楽しみ。

そうそう、キャラクターについて学びたい人には格好の教科書ですな。check it!





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