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元国務長官まで若い女にだまされた?!

「BAD BLOOD~シリコンバレー最大の捏造スキャンダル」は、フィクションを超えるストーリーだ!


このタイトルだと、何かハニートラップ的なことを想像されるかもしれないけど、そういうことではないんですね。

いや、ただのハニートラップより遙かにスゴイ規模なんです。

だまされた面々が、まあ、たいしたもんですよ。

元国防長官のマティス、メディア王・ルパート・マードック、元国務長官のシュルツ…ね?

だましたとされているのは(裁判中ではあるみたいだけど)、エリザベス・ホームズ。

スタンフォードを2年で中退し、血液検査の革新的機器を発明した(と言い張った)ベンチャー起業家。

ちなみに、「ユニコーン企業」をご存じでしょうか?

「企業評価額が10億ドル (1ドル110円換算で1,100億円) 以上で、設立10年以内の非上場ベンチャー企業」ですってさ。

GAFAもかつてはユニコーンだったわけです。

日本ではたった6社だと言われてます(2021年現在)

そんなに簡単に出現しないからユニコーン(神話の一角獣)なわけで、例えば、企業じゃないけど、大谷選手もユニコーンと呼ばれてますね。

そんな企業を大学中退すぐの若き女性が立ち上げたわけです。そりゃ、注目されるわね。

しかも、打ち出した内容が、画期的。

たった一滴の血から、さまざまな病気を見つけることができる機械を開発したと。

私たちが血液検査を受けるとき、採取される量を想像してみてください。

それが、一滴の血でわかっちゃう?!

そりゃ、飛びつきますよ。

元国防長官のマティスは軍で使いたいと思ったことでしょうし、ある有名スーパーマーケットの社長は、スーパーの一角にコーナーを設け、やってくるお客の健康診断を実に簡単に行うことで集客や話題作りにつなげようとした。

そして、そんなことができる会社だったら、投資したらリターンがどんなくらいになる?と想像した投資家がぞろぞろ…

でも、何と言うことか、この血一滴でわかる機械とやらが、全くの出来損ないだった!

そのポンコツの実演には、不正データを作って使っていた!

そもそも、なんでこんなことがまかり通って、みんながだまされたのか?

それはまず、「セラノス」というその会社が、恐ろしいほどの守秘義務を課していたため。

「これは不正だ」と声を上げた社員は当然クビ。やめるにあたっては一枚の資料たりとも持ち出さないよう、警備員に見張らせ、罪人のように引っ立てていく。

訴えたくても証拠がない上に、自分や家族の破産や死の恐怖を感じさせるような脅しが続く。

一方、エリザベスにだまされている応援団は、他の人の声を聞こうとはしない。

一時期「セラノス」に在籍し、不正を知って辞めた孫に諭されても、孫よりエリザベスの方を信じる。

もうこれは狂信ですね。

国務長官や国防長官にまでなるくらいの人たちなんだから、ちゃんとした判断力を持っているはずなのに。

人は、信じたいものしか信じないと言うことの例ですね。

ではなぜ、「セラノス」の実態が暴露されたのか。

それは、身の危険を感じながらも勇気ある告発をした元社員たちのおかげ。

そして、ウォールストリートの敏腕記者が、彼らを取材し、さまざまな圧力に屈せず記事にしたから。

果たして同じことが日本で起きた時、勇気ある人々や冷静に戦えるメディアは現れるんでしょうか?

不安ではあります。

もう一つの問題。

エリザベスは決して美人で可愛くて、というタイプではなかったみたい。

ただし、カリスマ性は持っていた。

でも、カリスマ性だけであれだけ多くの有能な男性がだまされるもの?

彼女の応援団って、白人の高齢者が多いという気がします。

トップクラスまで上り詰めた高齢の男たちは、孫のような年齢の白人女性を羽ばたかせたかったんじゃないかな?

人生最後にプロデューサーになりたかったのかも。

そして、そこに莫大な額の利益(投資に対する諫言)も絡まった?

いくつになっても、どんなに有能であっても、人はだまされるのだというとても良い例ですね。

間違っても、オレオレ詐欺にだまされる巷の高齢者を嘲ってはいけないと痛感します。

これ、そのうち映画化されるんじゃないか?と思うくらいの迫力あるストーリー。

事実は小説より奇なり、これまた痛感します。





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