マガジンのカバー画像

青春短編声劇台本集

80
ポッドキャスト配信中 https://anchor.fm/story-office オリジナルの短編声劇台本(短編ラジオドラマ・ボイスドラマ)作品集です。 想定尺は140秒を基本…
運営しているクリエイター

#短編小説

【声劇台本】062「ポストイット関係論」

「ポストイット関係論」 ■人物 亜希子ちゃん(17)高校2年生。 野木くん(17)高校2年生。 ■本編 亜希子のMO「あなたと私の関係に名前はまだない。教室の隅っこで机を並べて、私たちのキーワードをポストイットに書き出して分類整理してみた」 野木「手軽」 亜希子「気軽」 野木「身近」 亜希子「距離感」 野木「最適」 亜希子「居心地」 野木「親近感!」 亜希子「意地悪」 野木「ゆったり」 亜希子「のんびり」 野木「すっきり」 亜希子あ「さっぱり」 野木「ピッタリ?」 亜希

【声劇台本】061「ラブレター」

ラブレター書いた事ってありますか? 私は……秘密です。(笑) 「ラブレター」 ■ 宮藤君(16)高校1年生。 北川さん(16)高校1年生。 ■本編 宮藤君のMO「高校1年生だった僕たちに隠し事があったとすれば、それはお互いに本当の気持ちを言わないことだったと思う。それはお互いの関係維持のための必要絶対条件のようなもので、暗黙の了解だった」 北川さんのMO「宮藤君へ。一学期の最後、転校してしまう私に手紙の交換をしようって言ってくれたこと。とても嬉しかったです。私なんかで

【声劇台本】058「昼下がりの天使様」

突然ですが、みなさんは電信柱にぶつかったことはありますか? 私、リアルにあるんです。そうです。ドジっ子なんです。今日のお話にはそんな実感も込めました。コメディです。では早速どうぞ! 「昼下がりの天使様」 ■人物 三好くん(17)高校2年生。 秋元さん(17)高校2年生。 ■人物 三好くんのMO「いつもと違う、ポニーテールの秋元さん。学校と違って、急に大人に変身したみたいで、綺麗で、とても綺麗で……僕は、気づいたら、電柱にぶつかっていた!」 秋元さん「(心配して)三好君

【声劇台本】052「グリーンカーテン」

■配役 男子(17)高校2年生。 女子(17)高校2年生。 ■本編 男子のMO「高校にある、緑いっぱいの温室。そこは俺の秘密の場所、最高の昼寝スポットだったのに……。俺はなぜか園芸部のアイツにつかまって、手伝いをさせられていた……」 女子「ちゃんと植えてよ。植物だって生きものなんだから大事に丁寧に」 男子「授業疲れたし。眠いんだよ」 女子「グリーンカーテンできたら涼しくなって居心地よくなるよ?」 男子「グリーンカーテン?」 女子「緑の葉っぱで窓辺に作った柵を覆ってカーテン

【声劇台本】033「君は夢を見ている」

今日も声劇更新です! イラストレーターのカミヤマルイさんとのコラボレーションでお届けする第三弾です! ちょっとツンとした女の子と日陰男子のお話です。 ■人物 清水くん(17)高校2年生。 星さん(17)高校2年生。 ■本編 清水くんのMO「いつも窓辺にたたずむ君は、青空がとってよく似合う、遠い別世界の宇宙人のような人だ」 星さん「ねえ、清水君!」 清水くんのMO「放課後、居残り勉強していた僕に突然彼女が話しかけてきた。窓の外には白い雲が流れていた」 星さん「清水

【声劇台本】032「雨の恋」

今日は以前書いた台本の改訂版をお届けします。 6月らしい!? 梅雨の時期らしい、青春ドラマです。 ■登場人物 森川 ひな(17)高校2年生。 小田 和人(17)高校2年生。 ■本編 ひなのMO「昇降口で体に着いた雨粒を払う。六月の雨は本当に嫌いです。だって、あなたを近くに感じてしまうから」 小田「森川。ねぐせ。ひどいぞ!」 ひな「今朝ちゃんとセットしたのに……」 小田「女子は大変だな」 ひな「小田君はいいよね。野球部」 小田「坊主頭には坊主頭の苦労があるんだよ」 ひな

【声劇台本】026「あべこべ連打」

<配役> まきちゃん(16)高校1年生。 わたるくん(16)高校1年生。 ーーー本編ーーー まき「好きなら、つき合ったらいいじゃん!」 わたる「それが、わかんなくて……」 まき「はあ!? 自分以外、自分の気持ち、ほかに誰がわかるんだよ?」 わたる「でも……」 まき「曖昧な態度は告ってくれた子に失礼だ!」 わたる「本当によくわかんなくなってて……」 まき「グズグズしない! 返事してこい!」  まきのMO「そう言って君を突き放してしまったこと。実は後悔しています」 わたる「

【声劇台本】006「愛を葬る日」

サスペンスタッチで書いてみました。 BGMは「Lemon」(米津玄師)のイメージです。 <配役> 女 男 ーーー本編ーーー 女「あなただけを愛していたかった」 男「本当に俺が悪かった!」 女「あなただけの愛がほしかった」 男「許してくれ!」 女「それなのに……」 男「頼む!」 女「どうしてあなたは私を裏切ったの?」 女「どうして私を裏切ることができたの?」 女「ねえ。どうして!?」 女のN「絶望は失望に変わり、失望は怒りを呼び起こして、そして、復讐心に火をつけた。

【声劇台本】005「初恋」

少年の淡い思いを描きました。 <配役> 少年 お姉さん ―――本編――― 少年のMO「赤く燃える夕焼けの中、僕は駅までの道を全力で走った。走って走って走って、これから旅立つお姉さんに駆け寄った」 少年「好きです!」 少年のMO「そう言えたなら、よかった。でも、走って息が切れていた僕はただただ呼吸を整えるので精いっぱいだった」 お姉さん「少年! 来てくれたんだね!」 少年のMO「お姉さんは僕の手を取った。いつもと変わらない素敵な笑顔で」 少年「行かないで!」 少