映画『裏アカ』を見た。

あらすじ(一部公式サイトから引用)
青山のアパレルショップで店長を務める伊藤真知子は、どこか満たされない毎日を送っていた。自分の意見は採用されず、年下のカリスマ店員・新堂さやかに仕事を取られ、ストレスが溜まる日々。そんなある日、さやかの何気ない一言がきっかけで真知子はSNSの裏アカウントを作り、胸元の際どい写真を投稿する。表の世界では決して得られない反応に快感を覚えた真知子の投稿はどんどん過激になっていき、それに呼応するようにフォロワー数も増えていった。「リアルで会いたい」「もっと自分を解放して」 そんな言葉に誘われ、フォロワーの1人と会うことになった真知子。その相手は、”ゆーと”という年下の男だった。 真知子は自分と同じ心の乾きを持つ彼に惹かれていく。しかし、その関係は1度きり。それがゆーととの約束だった。ゆーとと会えないことから、真知子は他の男と関係を持つようになるが、その心は満たされない。裏の世界でフラストレーションがたまっていくのとは裏腹に、表の世界は、店の売り上げ不振回復への施策に自身のアイデアが採用され、大手百貨店とのコラボレーション企画が決まるなど充実していく真知子。やりがいのあるプロジェクトに意気込む真知子だったが、その百貨店担当者の原島努こそが、あのゆーとだった。

物語の冒頭に映画タイトルを持ってくるスタイルはワクワク感がある。タイトルバックの音楽のムードも手伝って「これから何かキケンなことが起こりそう」な予感がビンビンした。SNSの「本アカ」に対し、素性を隠した「裏アカ」で際どい(NGな)内容を発信する人が皆が皆に真知子のように満たされずストレスを抱えての行動だとは思わないが、動機の一つとしてはとても納得出来た。そしてゆーとのように喜びも悲しみも感じず、ずっと「生きる意味」を見出せず、それでも生きている自分がただただ哀しいという気持ちも理解出来た。真知子は人に必要とされたくて(←これは本人が言っていたから間違い無い)ゆーとは何の感動も無い(と感じている)日常にスリルが欲しかったのだろうか。自分の心の隙間を埋めるために危ない橋を渡り続けていた真知子は大事な場面でヘタをこいてしまうのだが、クライマックスからラストにかけての真知子にはどこか侍のような潔さを自分は感じた。

それにしても、「濡れ場」を「濡れ場」としてしっかりと成立させる役者さんとスタッフさん達には自分は心から感服する。本当に尊敬する。

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