1950年代〜の音声コンテンツを限定配信ーーTBSラジオ70周年「#何かがはじまる感謝祭」の紹介

2021.12/03 TBSラジオ『Session』OA

Screenless Media Lab.は、音声をコミュニケーションメディアとして捉え直すことを目的としています。今回は、TBSラジオ開局70周年を記念した、音声コンテンツについて紹介します。

◾TBSラジオ70周年記念「#何かがはじまる感謝祭」

TBSラジオは開局70周年を記念し、「#何かがはじまる感謝祭」と題した様々な企画を行っています。

中でも当ラボが注目したいのが、この70年の間にTBSラジオで放送した報道、ドラマ、ドキュメンタリー等の傑作選「Masterpiece」です。2021年12月から1ヶ月限定で無料配信しており、TBSラジオ70周年公式サイト「 #何かが始まる感謝祭 」内に設置した「Museum」内にある「Masterpiece」から無料で視聴可能です。

この傑作編で配信されているコンテンツは実に豊富です。例えば1952年8月6日放送の放送劇「原爆の子」は、戦後7年という時期に、メディアとして、戦争をどのように受け止めているかがわかるものです。また1959年2月14日放送の「赤胴鈴之助」は、吉永小百合のデビュー作として知られているものです。

さらに1960年7月19日放送の「雨と血と花と」は、同年5月の安保強行採決1か月後という時代を背景に、実際のデモや衝突の音を利用したドキュメント・ドラマです。

音声ドラマは、当時の時代背景を用いることで、音だけで十分にリスナーの想像をかきたてます。また、客観的に物語を語るだけでなく、主人公の視点から物語を進行することで、ドラマへの没入度も高くなります。

また、配信されているものの中には、当時のCMがそのまま入っているものもあります。ラジオCMをはじめとした音声広告は、映像メディアよりもユーザーのブランド認知度が高い(つまり、広告効果が高い)というデータもあります。音声は感情的に惹かれる度合いも高く、音から入ることで各自がイメージを持つことで、感情が作用するものと思われます。

この他にも、永六輔さんの1960年代の録音や、報道番組からはギャラクシー賞ラジオ部門大賞を受賞した『荻上チキ・Session22』2017年1月17日放送の、「薬物報道ガイドラインをつくろう」の回。同じくギャラクシー賞ラジオ部門大賞を受賞した『文化系トークラジオLife』2007年6月3日放送の「運動」回等、現在、43のコンテンツを配信中です。

◾ AudioMovieのドルビーアトモス版リメイクが配信

また、当ラボも監修として関わっている進化系音声ドラマ「AudioMovie®(オーディオムービー)」から、「つけびの村(第1話)」「のDolby Atmos®(ドルビーアトモス)」リメイク版の配信も行っています。

ドルビーアトモスは映画や音楽、ゲームにも利用されている立体音響技術であり、ステレオのように左右だけでなく、360度、様々なところから音が聞こえてきます(視聴には最新のApple製品の一部やAirPods等のヘッドフォンが必要になります)。ステレオ版も配信されているので、ドルビーアトモス版と比べることで、新たな音声技術の進歩を体感することが可能になります。

このように、1950年代からはじまり最新の AudioMovieへと至る音声コンテンツからは、当時の時代状況や文化、音声技術等、様々な情報が埋め込まれています。音が示す様々なコンテンツは12月までの限定配信です。ぜひ年内に聞いてみてください。


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