2022年も音が生活の利便性を向上させるーー「音を利用した最新サービス」の紹介

2022.1/14 TBSラジオ『Session』OA

Screenless Media Lab.は、音声をコミュニケーションメディアとして捉え直すことを目的としています。今回は、音を利用した様々な最新サービスについて紹介します。

◾音で障害物を指示する

音を利用した様々なサービスは、近年飛躍的に増加しています。

まずは、視覚障害者向けに開発された、ウェアラブルデバイス「biped」です。アメリカはラスベガスで毎年開催される(今年は2022年1/3〜7日に開催)家電をはじめとした最新テクノロジー商品の展示会「CES(Consumer Electronics Show)2022」にも出品されたbipedは、3DカメラとGPS、人工知能を搭載した、肩に背負う900グラムのデバイスです。

170度の広角カメラによって、歩行者や自動車などを素早く捉えてユーザーに伝えます。音がない障害物も、また赤外線機能があり夜でも使用可能です。音声は骨伝導イヤホンを利用するので、耳を塞がずに使用できます。一般発売はされていませんが、視覚障害者向けのサービスは、スマホアプリをはじめとして、様々に展開されています。

◾水中でも音が聞こえる

次に、水中の「音」に関するサービスです。水中ではどうしても音は聞こえづらいものです。水中では骨伝導イヤホンを利用することが一般的ですが、「ウエタックス」という企業が開発する水中スピーカーでは、水中で音を発すると、骨伝導イヤホンがなくとも水中で100メートル以上、骨伝導イヤホン等のデバイスなしに音を伝えることができます。こうした水中スピーカーは、シンクロナイズドスイミングの競技で用いられ、同社の製品が昨年の東京五輪でも利用されました。その他映画『海猿』や、水難救助等、様々な場面で利用されています。

もちろん、防水性の高い骨伝導イヤホンはすでに市場で販売されています。こうした骨伝導イヤホンを用いれば水中でも自分の好みを音楽やラジオを聴くことも可能です。

音といえば、近年はなんと言っても音声認識や音声翻訳といったアプリが人気ですが、音声認識の精度はすでに人間を超えています。例えば、多言語音声翻訳アプリ「Voice Tra(ボイストラ)」で利用されているAIと人間が、それぞれ700の文を読み上げた音声を書き起こしし、互いを比較する実験が行われました。結果、一回だけ聞いた文章の書き起こしはアプリが人間の倍以上はやく、また正確性もAIが97.9%に対し、人間は88.5%でした。もちろん、今回の実験は一回聞いただけのものであり、何度も音声を聞かせれば人間の方がAIをわずかに正確性において上回ります。とはいえ、AIの音声認識能力が飛躍的に向上していることがわかります。その意味で、音声認識機能を用いた会議の議事録作成等は、今後ますます活用されることでしょう。最近発売されたスマートフォン「pixel6」の音声認識能力が高いというのも、最近話題になりました。

この他にも、まだまだ音を利用した新たなサービスが登場しています。日々発展する音声サービスについて、当ラボは今後も注目するとともに、最新情報をお伝えします。

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