NHCGPによる東洋食品への冷蔵事業撤退株主提案のメリットを考える。

REUTERSによると投資会社の日本グローバル・グロース・パートナーズ・マネジメント(NHCGP)が東洋食品へ以下の株主提案を予定しているそうです。

  1. 配当の引き上げ、自社株買い

  2. 加工食品事業と水産食品取引事業の分離

  3. 冷蔵倉庫事業の売却または株式上場

1、2は自己利益の最大化を狙う投資ファンド(以下、アクティビストファンド)らしい意見です。2は第76期 第3四半期 四半期報告書を読むとセグメント利益が他と比べて小さいことから分かりやすいです。一方、3は冷蔵事業セグメントの利益率が分離・売却未提案のセグメント(海外即席麺、国内即席麺、低温食品)と変わらないことから不思議です。知識があれば財務諸表の裏側が読み取れるのかもしれませんが、利益だけ見ればそのままで良い気がします。

邪推するなら、冷蔵事業の売却または上場はアクティビストファンドとしての配当または株式売却益の増加を狙ったものでしょうか。即席麺や低温食品事業とは関連が薄いので分離しやすく、利益率の高さから売却や上場で特別利益に変えやすそうです。要因が何にせよ利益が大きければ配当は増えますし、自社株買いで用いる自己資本にも回ります。冷蔵事業の分離により減益で株価が減っても、自社株買いで相殺できるなら良いのかもしれません。

NHCGPがアクティビストファンドではないと仮定すると上記とは別の考察が可能なはずですが、3のそれらしい答えが思い浮かびませんでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?