暗い雰囲気の会見で派手なネクタイを着けたら「非典型的」なのか

知床遊覧船の社長について、茂木健一郎氏が社長は「非典型的」で、会見の悲惨なテーマを弁えない赤いネクタイがその本質だと主張されています。悲惨な事故には同意しますが、赤いネクタイは本質なのでしょうか?

「謝罪会見で「赤いネクタイはない」 知床遊覧船社長を茂木健一郎が批判「この人の本質はここ」」(JCastニュース、Yahoo!ニュース、4/28(木) 20:23配信)

茂木氏による「非典型的」の説明は次の通りです。

集団の中で、頻度が高く見られる能力ではなく、比較的少ない人しか持っていない能力を非典型的と言います。

https://lineblog.me/mogikenichiro/archives/8439711.html

報道されているこれまでの経緯(出航条件の自己解釈、社内へのクジラと衝突論)と合わせると確かに危機管理、人命への共感、誠実さなどに欠けている印象を持ちます。

もしも赤いネクタイを着けていることが「非典型的」の本質だとすると「適切な色のネクタイをとっさに手に入れられなかった人」「病的に判断がおかしくて赤いネクタイを着けた人」「文化的に赤が悲しみを表す人」が一緒くたに「非典型的」になります。つまり、慌ただしかった人、有病者、文化的違いがすべて「非典型的」に該当します。

日本のニュースなので文化的違いへの言及は前提条件の無視かもしれませんが、「TPOにそぐわない赤いネクタイの着用は「非典型的」の本質」も前提条件の無視だと思えます。いわゆる必要十分条件の誤りです。

あと素人なので専門用語を使われるとつい納得してしまいますが、さすがに非典型的の範囲が広すぎるのではないかと思います。

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