遺灰の保管容積が足りないのに重量で議論するおかしさ

遺灰保管容器の空き容積が足りないから貴金属を抜き出したというニュース、容積の問題が重量の議論にすり替えられています。

金属は密度(体積当たりの重量)が大きいので体積を重量にすり替えると変化を大きく見せられます。例えば金は密度が約19 g/cm^3なので1 cm^3減らせば19 g減らせます。逆に19 g減っても体積は1 cm^3しか減りません。

具体的には記事中の金7.2 kgは378 cm^3、その一辺は7 cmです。銀など他の金属もあるのでこの体積でも減ることは有意義だと思いますが、元の量が重量表記(39トン)なので正確な削減効果は不明です。微量である可能性も残ります。

最初から重量でなく体積で書けばよい気がしますが、その表記が市役所の公開資料からなのか記事からなのかは未確認です。

「治療した歯や人工関節… 火葬場「遺灰」から金プラ 自治体が「換金」の是非」(産経新聞、10/16 19:00配信)

統計で嘘をつく方法は有名ですが、単位で嘘をつく方法とでも呼べば良いのでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?