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赤い花の撮影と色味調整

花の撮影って、なんだか楽しいですね。素敵な花を永遠に楽しむ方法の一つとして写真を撮る、というのは、とってもシンプルで素敵だと思います。でも赤い花の素敵さを伝えたいのに、なんだか上手くいかない時ってあると思います。今回は、赤い花の撮影と色味調整に関して、僕なりの記事を作成してみました。

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撮影は最低限の注意だけです

花の撮影は屋外での撮影になると思います。屋外で僕が気をつけているのは撮影時、自分の影が花にかからない事です。せっかくの主役の花に、自分の影が写ってるのは悲しいです。そして撮影時、明るくしすぎない、暗くしすぎない、という事です。撮影時に白とびや黒つぶれなどを起こしていると後から頑張っても修復が難しいからです。フィルムカメラを使っている方以外は、撮影後に色々と調整する。という気持ちで撮影していただいた方が良いような気がします。

ご存知のように色は光です。屋外の場合は太陽の光が光源です、花や葉にぶつかって反射してきた光を、人間は目で見て色として感じています。カメラもレンズで光を集めて写真にしています。色は明るくなると色の成分が薄くなっていきますので、明るい写真を撮ろうとすると色の成分としては薄くなっていきます。暗い写真にすると色は濃くなっていきます。しかし、暗くなりすぎると、またもや色を失い(光が不足して)真っ黒になります。フォトグラフという言葉の通り、カメラは光で描いているので、色というよりも光を意識すると楽かもしれません。そして、影が物の立体感を表している。という風に考えていただくと良いのかもしれません。

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今回は以前撮った花でご説明させていただきます。こんな感じで、かなりラフに撮っています。アングルとしては、花の真上あたりからレンズを真下に向けて花を撮っています。isoは100、シャッター速度は1/125、f2.8でした。シャッター速度やisoは天気次第なので参考にならないと思います。jpgでも案外大丈夫ですが、心とメモリーカードに余裕のある方はrawで撮っておくのも良いかもしれません。花の場合、花びらが多い、一枚一枚の花びら毎に結構表情というか光の条件が違ったりします。いくつかの花が重なっていたりする時などもデータ量が多いです。データ量が多い方が濃淡などの細かい情報が記録されますので良かったりします。jpgだと色つぶれしていたりする写真もrawだと大丈夫だったりもします。

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左がjpg、右がrawです。jpgはrawに比べてデータを軽くしている関係で若干色味が薄く、影の情報も少ないので全体的にのっぺりとしてしまっています。普段あまり、並べて比べる事は無いと思いますがrawは綺麗ですね。知人のカメラマンは調整せずにrawを印刷して写真展をしたり写真講座をしています。その方がレンズの描写性能も、カメラの能力も、カメラマンの能力もわかりやすいですよね。rawはデータ量が豊富なので色味も影も肉眼に近いと思います。容量大きめのメモリーカードを使っている方はrawの方が安心ですね。データバックアップの為に外付けのHDDも容量大きめをご用意ください。

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撮ったままでも良いのかな?と思ったのですが、ちょっとだけ花びらの表情が出したくなり若干色味を調整してみました。今回もmacに付属している写真ソフトでご説明いたします。iphoneの写真編集画面も、ほぼ同じなのでiphoneで撮影している方もお試しいただけます。コントラストを若干あげて光と影を強く、ハイライトを若干下げて赤の色味が失われるのを少しだけ抑える事で花びらの雰囲気を変えてみました。ホワイトバランスを調整する方法もあるのですが、今回はフィルターのクロスプロセスを使ってみました。フィルム時代は難しい作業だったのですがPCだとクリックするだけなので、とても便利です。背景側の緑色も、ちょっと雰囲気が変わって、ちょっとエレガントな感じになりました。

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フィルターのフェードなども試してみました。こちらも、なかなか良い雰囲気です。個人の好みで色々と試してみる事が大事だと思います。スイカの甘さを際立たせる為に塩を使うように、写真で大事にしたい色がある場合は、彩度をいきなり調整せずに、明るさを調整していく事が近道だったりします。明るさも全体的な調整よりも、コントラストやハイライト、場合によってはシャドウやブラックポイントの調整でターゲットにしたい色が良い感じになったりします。

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ブラックポイントやシャドウなどを暗めに調整して、花だけを浮き上がらせるのも一つの手法だと思います。僕は結構好きでよく使います。通りで歩いている時に出会った花や、公園で見つけた花を、なんとなくですがアートな感じに仕上げる簡単な調整です。

以前、記事を作ってみたのでご興味ある方はご覧いただければ幸いです。

花の撮影のまとめ

撮影アングルの挑戦をしましょう。一眼レフを使っていると、ついついファインダーから覗いて撮影しがちです。あえてフィンダーを使わずに撮影してみるのも良い写真が撮れますのでお試しください。一つの物に対してアプローチを、ちょっとだけ変える事で違った写真が撮れますよ。カメラを構えるポジションをアイレベルからウエストポジションにしてみたり。手だけをのばして花の上から俯瞰撮影してみたり。カメラを地面スレスレにして下から煽ってみたり、逆光や半逆光のポジションにも挑戦してみると良いと思います。ミラーレスをお使いの方は、液晶画面をクルクル出来る事を最大限活用して変わったアングルから撮ってみる事をオススメします。

撮影時は露出に注意する。Aモード(絞り優先オート)で撮る方が多いと思いますが、人間と違いカメラの明るさの判断基準は色によって変化します。明るいものは暗く、暗いものは明るくしようとします。なので色々な色の花を撮る事になる花の撮影時はオート任せにしない事が大事になります。オートの設定でプラス1、あるいはマイナス1の明るさに固定していても凄くバラツキが出ます。自分の写真のイメージを固めて、常に撮影した写真を確認しながら撮りましょう。イメージと違う写真になった場合は、面倒くさがらずに露出補正のプラスやマイナス、あるいはisoを調整しましょう。細かく調整する事が普通になってくると、機械操作にも慣れて結果的にオートよりもマニュアルの方が早い事に気付いたりします。白とびさせない、黒つぶれさせない。色つぶれさせない。注意する事は意外にもシンプルです。iphoneで撮る方は、撮影時画面をタッチしましょう。明るさの調節ができます。慣れている方はマニュアル撮影出来る写真アプリを入れて撮ってみましょう。

その他の注意点。ミラーレスの方が注意する事はバッテリーを多めに持つ事です。ミラーレスは液晶画面を常時使っている構造上バッテリーを消耗します。バッテリーの予備を用意して安心して撮りまくりましょう。

虫除けスプレーなんかを用意して行きましょう。大好きな花の撮影で虫に刺されまくるのは悲しすぎます。市販の虫除けスプレーや虫刺されの薬も持っていくと安心ですよ。僕は北見のハッカスプレーを愛用しています。

撮影時は一歩前に出る、下がってみる、カメラの高さを変えてみる、カメラの角度を変えてみる、撮影時間帯を変えてみる、晴天、曇り、雨の日も撮ってみるなどなど変化をつけて撮る事も、新しい発見があるかもしれませんね。


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