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サービスのチカラのミナモト #19 テイクアウト

どこの飲食店もほとんどが、臨時休業。
そんな中、弊社は、レストラン営業は臨時休業しますが、『食卓をレストランに!』をキーフレーズに掲げ、いつもの料理をテイクアウトで楽しんでいただく方法をとりました。

◉テイクアウト営業で見えてきたこと◉
①常連様の威力!
ベッドタウンを中心に展開しているので、常連様の流動に大きな変化はなく、かつ増え続けているので、おかげさまで企業として10周年を迎えます。
常連様とは『お店のファン・サポーター』です。
一時的に変更した営業スタイルにも「大変だけどがんばってね!」と応援してくださいます。
ありがたいことこの上ない。
私からしてみたら、接客することができるだけ幸せなもんで、世の中の方々は、外出自粛なわけです。
こちらが応援するつもりでテイクアウト営業をしているのに、応援されたら、逆に活力をもらえます。
また嬉しいのは、電話で「ママ友から聞いたんですけど、テイクアウトお願いします」といった生の口コミ。
これらは、今まで各店舗のスタッフが全力でお客様に喜んでいただくために、心も技も知識も磨いてきた積み重ねの結果です。
お客様にもスタッフにも、ありがとうございます!

②第一印象の大切さ
しばらくマスクをしながらの営業なので、当然『目』で判断されます。
目が笑えば、自然と口角も上がるので、素敵な笑顔になるでしょう。
しかし『目』だけですよ。
私は目が怖いので、口を隠されたらある意味負けが確定です…。
しかし、他の武器を使えば、それを補えることを知っています。
それは『声』と『オーバーアクション』です。
この2つは、接客の基本中の基本です。
それがレストランのフルサービスではなくテイクアウトの一瞬の接客において、最大限の効果を発揮するのです。
明るい声と、駆け寄ったり手を挙げたりするわかりやすいアクションとゆったりとした丁寧なアクションは、お客様を安心させるのです。
不安に満ちた現状に、少しでもできることを意識すれば、その不安を拭うことができます。

③ニーズをくみ取る
テイクアウト営業のキッカケの一つが『毎日3食作るの大変ですよね…』との考えがベースにあります。
そこから『そのうち1食は、少しでも楽に、そしてご自宅で作れない料理の提供』ができれば『精神的・肉体的疲弊』からの解放ができるのでは?という想いではじめました。
ただし、それが本当にあっているとは限りません。
日頃の接客では、滞在時間約2時間で、お客様の本当の目的とは何か?
今何が必要で、直後にしたいことは何か?
といった具合に、お客様のことをくみ取り続けます。
しかし、テイクアウト営業では、対面販売なので、交わす時間は1分あるかないか…
飲食店では、入店すれば必ず飲食されますが、店頭では様子見の方もいます。
短い時間で、目的が定まらない方のニーズをくみ取ることが、本当に大切です。
キッカケとして考えていたニーズがあっているのか?
また、会社で食べるのか?
おうち?公園で?
一人で?家族と?
他のお店の惣菜がある?
いつ食べる???
などなど、相談しやすいように、アイコンタクトで表情を見ながらオーダーを伺うと、本当の目的(潜在ニーズ)が見えてきます。
「テイクアウトがあると助かる」「いつもありがとう」「外食できないから、たまにはいいものを食べたい」などのお声をいただけて、はじめて『あっている』と胸を撫で下ろせます。
地域性によっても違ってくるので、さらにここで止めず、これらを踏まえて、メニュー構成・価格・ボリュームなどの変更が必要になり、もっと頼みたくなるお店になるはずです。
そして、この瞬間のやりとりで世間話ができるといいですね。
テイクアウトやデリバリーでは、基本的に冒険したくないので、圧倒的にリピーターになります。
料理のクオリティーはもちろんですが、せっかくの接点に集中したいです。

④次につなげる
その場しのぎの場当たり的にテイクアウト営業しても意味がありません。
お待ちいただく際、お電話での事前オーダーの際、カード会計の際、お名前をいただけるので、オーダー内容とともに情報を残しています。
いつかレストラン営業を再開したときに「あのときは、テイクアウトしていただき、本当にありがとうございます!」と言いたいからです。
顔だけ知っている常連様も、この機会にお名前を知ることもあります。

結局は当たり前が大切で、その積み重ねしかないことに気づかされます。
スポーツをやることも応援することもミュージックもエンタテインメントも…人を支えるあらゆるものが封じられた今、私たちのちょっとした接客が、あらゆる方を救うと思っています。

『こんなときだからこそ』ではなく『いつもいつでも』お客様に喜んでいただけるためにできることを…。
一日も早く終息し、思いっきりフルサービスの接客をしたいものです。

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