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ヨーロッパ文化教養講座(「さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜(6)」鑑賞記)

2024/02/19
今回のテーマ曲は、ビゼーの「カルメン組曲」。

あおぞらホールの晴見フィル「さよならコンサート」では、ホセを誘惑するカルメンの妖艶な「ハバネラ」を結局演奏せず、奏者の家族関係を描いた。

ビゼーの歌劇「カルメン」は、典型的な魔性の女「ファム・ファタール」物である。
フルート奏者 瑠李(演 新木優子)は「ファム・ファタール」を演じるため舞台でハバネラを歌おうとするが、彼女のフルート音から性根の優しさを感じていた俊平マエストロにハバネラの代わりに、優しいフルートの独奏が印象的な「3幕への間奏曲」を弾くように言われる。
観客の中には、瑠李の離婚した両親がそれぞれ彼女の演奏を聴いていた。
やはり、新木優子さんには、ファム・ファタールよりシンデレラの方が似合うかも?

指揮者に憧れていたコンサートマスター近藤(演 津田寛治)は、夏目俊平から指揮棒を渡され、第2組曲の終曲「ジプシーの踊り」を力一杯指揮して40年来の夢を果たす。
近藤の妻と娘もいつかは、彼の生きがいを理解してくれるのだろうか?

前回市長の娘であることが判明した、(谷崎天音(たにざき あまね)演 當真あみ))は生まれた初めてやりたいことが見つかったとヴァイオリンを必死に演習し、短時間で急激に上達する(ドラマあるある)。
でも、何故か父親には必死にそのことを隠しているのが、晴見フィルの存続の鍵?

夏目響は、オーディオルームの常連 富子(演(脇役の名女優 特に横溝正史作品)白石加代子))に題名のわからない曲が何かを相談され、遂に、金井克子の「他人の関係」であることを突き止める。
トランペット奏者で市役所の同僚の森(演- 宮沢氷魚)と一緒に「逢う時にはいつでも 他人の二人 ゆうべはゆうべ そして 今夜は今夜 くすぐるような指で ほくろの数も『注 ほくろの一男ではない』。。。」を楽しそうに聞く。

響(演 芦田愛菜)の音楽に対する拒否感がエピソード毎に少しずつ拭い去られて、表情も段々柔らかくなっていく演技が素晴らしい。

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