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ヨーロッパ文化教養講座(100分de名著「シャーロック・ホームズ・スペシャル」第1回 鑑賞記)

2023/09/06
NHK Eテレの「100分de名著」は、毎月歴史的名著を取り上げて、素人にもわかりやすく説明する(とは、言っているが、哲学書など、難しすぎるものもある)番組。
伊集院光の適切なコメントを交えながら、ベテランの阿部みちこアナウンサーが進行する。

今月は、「シャーロック・ホームズ・スペシャル」ということで、興味深く観た。

考えてみると、シャーロック・ホームズを本で読んだのは、学生時代まである。その後、映画(名探偵コナンもコナン・ドイルの名前だし)、ドラマなどで、何度も繰り返し取り上げられている間に、すっかり、シャーロック・ホームズを知った気になっていたが、知らないことが多すぎることが、第1回を観ただけでも良くわかった。

指南役が、廣野由美子氏(京都大学教授)
19世紀のイギリス文学の専門家ということで、権威的には最高のアドバイザー。

第1回は、作者コナン・ドイルのプロフィールと、ホームズの誕生について、紹介があった。

コナン・ドイル(1859年5月22日 – 1930年7月7日)は、エディンバラのあまり裕福でない家に生まれたので、医師になり、開業して家計を支える道をすすむ。
元々文章を書くのが好きだったので、医師をしながら、小説を書いた。
小生の記憶では、クリニックが暇だったので、小説を書いて時間をつぶしていたと思っていたが、家が裕福だったら、初めから小説家を目指していたのだろう。

でも、医学生時代の恩師が、分析力に優れていて、患者の病状を患者の様子から「ホームズ」のように、ピタリと当てていたことから、この恩師(ジョゼフ・ベル教授)を探偵ホームズとしたそうだ。

第1作「緋色の研究」に描かれたホームズの容貌は、ジョゼフ・ベル教授そのものだったという説明が廣野教授からあった。

第1作は、全然評判にはならなかったそうだが、この時代は、イギリス全土に鉄道網が敷かれて、国内旅行が盛んになった頃だったので、移動中に暇つぶしによる雑誌(季刊誌)が売れはじめた。
長編小説は、雑誌には向かないと考えた、コナン・ドイルは、1話読み切りで、主要登場人物が固定している連続物(すなわち、シャーロック・ホームズ・シリーズ)を週刊誌に売り込み、これが大成功して、超売れっ子作家になったそうだ。

あと、3回でシャーロック・ホームズの何を伝えてくれるか、楽しみである。


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