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ヨーロッパ文化教養講座(「ダヴィンチ・コード エクステンデッド版」鑑賞記)

2023/05/26

ダン・ブラウン作の「ダヴィンチ・コード」は、トム・ハンクス主演で大ヒットとなった映画だが、公開時の編集で最終的にカットされた部分を含めたエクステンデッド版があるのは知らなかった。

ゴールデンウィーク前にWOWWOWでエクステンデッド版の放送があったので、鑑賞した。

キャスト:
ロバート・ラングドン (演  トム・ハンクス 米)
ソフィー・ヌヴー (演  オドレイ・トトゥ 仏)*「アメリ」で主役
リー・ティービング(演  イアン・マッケラン 英)
ジャック・ソニエール (演  ジャン=ピエール・マリエール 仏 故人)
シラス (演  ポール・ベタニー 英)
ファーシュ (演  ジャン・レノ 仏)
アリンガローサ(演  アルフレッド・モリーナ 英)

コメントと感想:

1.ルーブル美術館が舞台。

・名画の数々を確認できる。
・この血なまぐさい映画の撮影の許可が良く下りたと思った。
・フランスの名優が主要キャストに入っている。

2.原作との対比

・ラングドンシリーズは、原作を読まずに初見で内容を完全に理解することは不可能だと思う。原作が長大すぎる。

・ダヴィンチ・コードは、主要プロットは原作をほぼ踏襲した。
ラングドンシリーズで最初に公開されたのは、原作通りに作っても、観客が話の筋を何とか理解できるレベルまでもってこられると判断したからか。
それとも、イエスの末裔が現存するというテーマが衝撃的だからか。

・ダン・ブラウンの原作の中に出てくる、固有名詞やいろいろな蘊蓄をそのまま信じてはいけないと思った。この点は、日本の戦国時代を舞台にした小説や映像作品と同様。ただ、日本の歴史に関しては、前提となる知識を日本人であれば、かなり身につけているので、「ああ、これはフィクションだよね。」というアンテナがあるが、外国特に本作のようなキリスト教をベースとした作品は、日本人にとっては、そのまま事実だと思ってしまう可能性があるなと思った。

・原作を読まずに見るのであれば、横溝正史作品の外国版くらいに思ってみるのが良いかもと思った。

3.エクステンデッド版について

・ダヴィンチ・コードは、TVで一回、アマゾンプライムで一回見たので、3回目の視聴となった。エクステンデッド版で追加されたシーンは、主要プロットを変えてしまうほどのものはもちろんなく、

1)あったほうが、人物像がよりわかって親切なシーン (シラスが何故このような人間になったかの背景など)

2)あると、かえって映画のスピーディーな進行を抑えてマイナスになってしまうようなシーン (ルーブル美術館内の化粧室のシーン)
の主に二つのシーンがあるなと思った。

4.ダン・ブラウンのキリスト教解釈について

本作は上映時にキリスト教側から激しい批判があったと記憶している。

小生はキリスト教徒だが、あくまでもフィクションとしてエンターテイメント作品だと思ってみたので、違和感はほとんどなかった。

ダン・ブラウンのキリスト教に対する知識はかなりあると思うので、もしかしたら、本当は信者(もしくは、過去信者)なのかもしれない。

逆に、この作品のおかげで、キリスト教に興味のない多くの友人にキリスト教の話ができて良かったと思っている。



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