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ヨーロッパ文化教養講座(バッハのカンタータ「Mein Herze schwimmt im Blut(私の心は血の中を泳ぐ)BWV 199」)

2023/03/24
今年も桜の時期になり(当地 鹿児島では未だに開花していない。)年度の変わり目を迎えている。

2023年最初に聞いたコンサートは、森麻季のソプラノリサイタルだったが、凄く印象に残った曲をふと思い出して、調べてみた。

プログラムでは、
J.Sバッハ カンタータBWV199より
 第7曲 レチタティーヴォ<私はこの傷の中に身を横たえます>
 ~第8曲 アリア<私の心はなんと喜ばしいことでしょう>

となっていたが、原題は、それぞれ、
「Ich lege mich in diese Wunden」 (「I lay myself on these wounds」)
「Wie freudig ist mein Herz」 (「How joyful is my heart」)
となっており、第1曲から第8曲まで、すべてソプラノソロ+木管弦楽
レチタティーヴォとアリア(但し、第6曲はコラール)が交互に唄われる。

このカンタータは教会カンタータなので、曲名から見ても、神に対して罪を告白し、最後には贖罪と救いの喜びを唄うということだろう。

そこで、フィナーレの第8曲はバロックオペラ風の非常にすがすがしいアリアになっている。

コロラトゥーラの森麻季の真骨頂だと思ってウキウキしながら聴いていたことを思い出す。

Youtubeでも何人かのソプラノの演奏を聴いたが、小生が1番気に入ったのは、Sabine Devieilhe (サビーヌ・ドゥヴィエル)というフランス人のソプラノの演奏。

サビーヌ・ドゥヴィエル(ソプラノ)

チェロと音楽学を学んだ後、声楽に転向し、2011年にパリ高等音楽院を首席で卒業したばかりにもかかわらず、在学中から数々のオペラの舞台に出演して話題に。レザール・フロリサン、マルク・ミンコフスキなどと共演している。

古楽から現代音楽までをレパートリーとしているが、キャリア初期は、バッハからラモーまで、バロック音楽に傾倒。その後、フランス国立管弦楽団とパリ管弦楽団とのラヴェルの「子供と魔法」に出演し、より幅広い聴衆の目にとまることとなった。

2011-12年シーズンには、ベルリーニの「夢遊病の女清」のアミーナ役を歌い、ベル・カント作品デビューを果たす。パリ・オペラ座でのモーツァルトの「魔笛」の夜の女王役や、ベルギーのモネ劇場でのグルック「オルフェオとエウリディーチェ」でも主役をつとめた。

2013-14年シーズンには、ドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」やヴェルディ「ファルスタッフ」のナンネッタを歌い、英国グラインドボーン音楽祭ではラヴェルの「子供と魔法」に出演。

「言葉の重さを重要視し、洗練された敏感な歌には偉大な哀愁の風が吹いている」と高い評価を得る。

2013年、専属契約を交わしたエラート・レーベルから発売され、フランス・デビュー・アルバムとなった「ラモー:壮大なる愛の劇場」で、フランスのグラミー賞といわれるヴィクトワール・ドゥ・ラ・ムジーク、およびディアパゾン・ドール賞を受賞。

着実にキャリアを積んでいる、期待の大型新人ソプラノ歌手。

ワーナーミュージック・ジャパンのホームページより

透き通るような綺麗な声だと思った。


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