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ヨーロッパ文化教養講座(NHKクラシック音楽館 「N響首席指揮者ファビオ・ルイージ特集」を観て その2」

2023/10/04
N響首席指揮者、イタリア・ジェノヴァ出身のファビオ・ルイージ・マエストロ特集の2回目を観た。

【第2回】10/1(日)22:11~「ルイージの真骨頂 よみがえる 幻のオペレッタ」

前回の《ミラノ・スカラ座アカデミー》との熱演に引き続き訪れたのは、南イタリアの山間の街、マルティナ・フランカ。

この街は、ルイージにとって特別な場所。毎夏に開催される「イトリア渓谷の音楽祭」では、長年に渡り音楽監督を務めている。

マエストロが初めて、この音楽祭に参加したのはもう40年以上前のこと。この音楽祭との出会いこそが、オペラの世界で華々しい活躍を続けてきた指揮者ファビオ・ルイージの『原点』だった…!

若き日の思いを胸に、今も音楽祭の舞台に立ち続けるルイージは、この夏もある挑戦を控えていた。イタリアに生まれた“幻”のオペレッタ「鐘の街」を、今によみがえらせようというのだ。

作品に立ち向かうルイージの姿は、まさに“オペラ指揮者”としての真骨頂!マエストロと出演者たちの熱い奮闘を、ぜひご覧ください。
語り:伊武雅刀(俳優)

NHKクラシック音楽館ホームページ

コメントと感想:

1.舞台となるプーリア州のマルティナ・フランカは、イタリアをブーツで例えるとアキレス腱の辺りに位置する、人口5万人弱の小都市。

グーグルマップを見ると、この街は、4方に街道が延びているので、この辺りでは交通の要所だと思われる。

隣町が、トンガリ屋根で有名なアルベルベッロ。又州は違うが、西へ向かうと、こちらも洞窟住宅で有名なマテーラがある。

2.この地方都市で、1975年以降オペラ・フェスティバル(Festival della Valle d'Itria イトリア渓谷フェスティバル)が開催されているなんて全く知らなかった。

3.マエストロ・ルイージは、40年以上もこの音楽祭に関わり、2021年以降は、音楽監督として、ドイツ人の演出家セバスチャン・シュワルツ氏と一緒に、このオペラ・フェスティバルを製作しているとのこと。

4.今回の放送は、オペレッタ(Il paese dei campanelli「鐘の街」)を実演するまでの主にリハーサルの場面を映し出した。

「鐘の街」を作曲したのは、カルロ・ロンバルドとヴィルジリオ・ランツァートという初めて聞く作曲家で、1923年にミラノで初演されたそうだ。

5.イトリア渓谷フェスティバルは、演奏機会の少ない作品を演奏するのが特徴ということで、世界中から通常のプログラムでは飽き足らないオペラ・オタクが集まるのだろう。

また、30歳未満であれば、公演の前日の衣装を着けた通し稽古が無料で鑑賞できるので、未来のオペラ・オタクの開拓にも繋げているのだろう。

6.オーケストラは、プーリア州の州都バーリのオーケストラで、ちょっと聞いただけだがレベルはかなり高そうだ。
リハーサルでは、プリマ・ドンナの質問にも、マエストロが的確に答え、マエストロの半端ない知識量がわかる。
また、マエストロがイタリア人なので、イタリア語で歌手、合唱団、オケと円滑にコミュニケーションが取れるのも利点だなと思った。

7.この放送を見ると、N響だけでなく、マエストロのオペラの指揮も観てみたいと思った。


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