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ヨーロッパ文化教養講座(「アストリッドとラファエル2 文書係の事件録」(3) 「アブダクション」録画鑑賞記)

2023/06/06
NHK海外ドラマ アストリッドとラファエロ2 の第3回は、邦題は「アブダクション」だった。
当然、原題も「abduction」かと思いきや、「Le paradoxe de Fermi(フェルミのパラドックス)」だった。

WIKIには、
「フェルミのパラドックス(英: Fermi paradox)は、物理学者エンリコ・フェルミが最初に指摘した、地球外文明の存在の可能性の高さと、そのような文明との接触の証拠が皆無である事実の間にある矛盾のことである。」
と書いてあり、この原題は第3回の内容を一言で表すとしたら完璧だと思った。

理論派×熱血コンビが事件を解決!フランス発ミステリー、シーズン2。殺人の容疑者が姿を消し、まぶしい光とともに突然現れた!宇宙人による誘拐“アブダクション”か?

ある企業の研究室で男性が刃物で切られ殺される。警備員が現場から走り去る従業員ソフィアを目撃していた。施設はすぐに封鎖されたが、ソフィアは行方不明でどこにも姿が見つからない。ラファエルとアストリッドが一旦帰ろうと駐車場で車に乗ったとき、強烈な閃光(せんこう)とともに目の前にソフィアが現れた。一連の状況から、アストリッドはソフィアが消えたのは宇宙人による誘拐「アブダクション」の可能性を指摘する。

NHK海外ドラマホームページ

コメントと感想:

1.「abduction」 というと、小生の頭に先ず浮かぶのは、モーツアルトの「後宮からの誘拐」K.384 ドイツ語のオペラ(正確にはジングシュピール=ドイツ語の歌芝居)である。

ドイツ語の原題の英語訳が、「The Abduction from the Seraglio」。
トルコのハーレムに誘拐された、恋人のコンスタンツェ(ソプラノ)を主人公ベルモンテ(テノール)が救いだすという「白馬の王子」物語。
ちなみにコンスタンツェは、モーツアルトの妻の名前。
映画「アマデウス」でも取り上げられていた。

2.今回は、「アブダクション」されたかもしれない、ソフィアの幼児のときの記憶を催眠療法によって引き出したことが、キーポイントとなった。

*ちょうど、読み終わった、ベストセラー「バカと無知(橘 玲)」の中に、1980年代のアメリカで、不適切な催眠療法により、幼児期の記憶が書き換えられて、性的虐待を父親から受けたという訴訟がこどもから多数提起され、多くのえん罪が生まれたということが書いてあったので、興味深かった。

この催眠療法では、正しい記憶を引出し、事件は解決に向かった。

3.冒頭いきなり、ラファエルと元カレで新任検事のマティアス・フォレスト(演  ユベール・ドゥラットル)とのベッドシーンから始まるというフランスならではの演出。

最後にラファエルがアストリッドに、この元カレと「バン」を2回してしまったと告白すると、アストリッドが「バンバン」?と言ったシーンが笑えた。

4.催眠療法のときに、ラファエルが薬物中毒の兄のことを回想するシーンがあり、アストリッドが気にかけるシーンが良かった。

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