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ヨーロッパ文化教養講座(2023年12月13日 クリスチャン・ツィメルマン@サントリーホール 鑑賞記)

2023/12/19
巨匠、クリスチャン・ツィメルマン氏のリサイタルを生まれて初めて、生で聴いた。

日時:2023年12月13日(水) 開場:18時15分 開演:19時
開場:サントリーホール 大ホール (東京都)

プログラム:

前半
1) ショパン/夜想曲 第2番 変ホ長調 Op.9-2
2) ショパン/夜想曲 第5番 嬰へ長調 Op.15-2
3) ショパン/夜想曲 第16番 変ホ長調 Op.55-2
4) ショパン/夜想曲 第18番 ホ長調 Op.62-2
5) ショパン/ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調「葬送 」Op.35

後半
6) ドビュッシー/版画 
・塔
・グラナダの夕べ
・雨の庭
7) シマノフスキ/ポーランド民謡の主題による変奏曲 Op.10

ソリストアンコール:
8)ラフマニノフ:13の前奏曲 嬰ト短調 Op. 32-12
9)ラフマニノフ:10の前奏曲 二長調 Op. 23-4

コメントと感想:
1.座席は、前から14列目の左手。演奏者の顔も手の動きもよく見える良い席だった。
定刻を過ぎてツィメルマン氏が登場。やはり巨匠はオーラがある。

2.着席する。楽譜が置かれているのに気がついた。
1)の美しいメロディーがスタート。
1)~4)は、続けて演奏された。

ところが、会場に体調の悪い観客がいたらしく、弾き終わる毎に大きなかなり大きな咳。サントリーホールの美しい響きに似合わない大きな咳で、集中力が途切れる。
ツィメルマンさんも、2曲目の後(だっと思う)に咳払いのマネをして、会場の笑いを誘った。
また、小生の座席の左隣は、小学校の低学年(と思われる)男の子と両親の三人が座った。男の子が声は出さないが、良く動くので、こちらも気になった。

3.1)~4)は、聴く小生がぼっとしている間に終わってしまい。
5)のソナタ2番。1楽章と2楽章の演奏スピードが小生のイメージと違うのにちょっと戸惑ったが、楽楽と難曲を綺麗に弾いて前半は終了。

4.後半は、気を取り直して集中して聴くことができた。
6)と7)のドビュッシーとシマノフスキーは、ほとんど初めて聞いたに等しい曲だったが、音そのものに惹きつけられたのだろう、あっという間に終わってしまったという感じ。

5.8)9)のアンコールも、何の曲かは解らなかったが、6)7)と繋がっている印象を受けた。そのような意図で選曲されたのだろうと思った。

9)のアンコールの2曲目が終わると、ツィメルマン先生は楽譜を畳み、鍵盤の蓋を閉めて「終わりですよ」というサインを出してくれた。
いつも、カーテンコールをいつまでしたら良いのかと悩む小生にとっては、とても親切な「演出?」だった。

6.あっという間に終わった2時間のリサイタルだった。
特に後半の演奏で「知らない曲なのに音を聴いているだけで、あっという間に終わった」という体験は、先月の衝撃のベルリンフィルの演奏もそうだったので、素晴らしい演奏だったのだろうと思った。

7.昨日、反田君のラジオ番組で、「ツィメルマンについて」という話があった。反田君によると、とにかく、「ピアノの演奏に全く無駄な動きがなくて、どんな曲でも易々と弾いているように見える」のが、巨匠ツィメルマンの特長だそうだ。
小生の知り合いのピアノの先生も「ピアニストの教科書」だと言っていた。

8.ツィメルマンさんは、東京にも家を持っているとのことなので、またリサイタルを聴く機会があると期待している。


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