ヨーロッパ文化教養講座(NHKBS 「熱狂!ベネチア 仮面のカーニバル」鑑賞記)
2024/02/21
ヴェネツィアのカーニバルの生中継。贅沢に(無駄に?)衛星電波を使っている感はあったが、天気が悪くて逆に臨場感があり楽しく観た。
1.カーニバルは、灰の水曜日(イースターの約40日前)断食に入るまでに、お腹いっぱい肉を食べておこうというお祭り。
カーニバルの語源自体が、イタリア語でいえば、Carne(肉)levare (取り除く)から出来ている。
2.ということで、世界中でカーニバルは行われていると思うが、ベネチアのカーニバルは、ベネチアの素晴らしい景色と仮面舞踏会の組み合わせが、「映え」ていて、特別なものになっているようだ。
3.今回の放送では、久しぶりに見た雨宮塔子さんが、日本語が堪能なイタリア人女性と共に、ベネチアングラスで有名なムラーノ島からの中継が特に興味深かった。
1) ベネチア本島にあったベネチアングラスの工房を、1291年ベネチア共和国政府が強制的にムラーノ島へ集約した。
目的は、ガラス細工の技術の伝承と、他国へ技術を漏洩させないためという。そのため、職人が島外に逃げると死刑にしたという。
*塩野七生さんの「海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年」は、ヴェネツィア共和国の存亡を描いた小説だが、共和国政府の巧みな政策が特に印象的で、ベネチアングラスの保護政策もさすがだなと感心した。
2) 1797年にナポレオンによって占領されヴェネツィア共和国は滅びる。
その後、ベネチアングラスは絶滅寸前まで行ったが、それを救ったのが、古代ローマの時代の技術を復興した「ムリーノ」という色つきのガラス棒を延ばして金太郎飴の様にカットし、モザイク状に並べるという工法であったという。
3) 現在もベネチアングラスといえば、超絶技巧の技術品というイメージだが、絶滅寸前までいったことは知らなかった。