ヨーロッパ文化教養講座(モーツアルトピアノ協奏曲第20番K.466)

2022/09/29

9月17日に書いた、中山千里の「おわかれはモーツァルト」に登場する、モーツアルトのピアノ協奏曲第20番は、ケッヘル番号466番である。
表記は、K.466とするのが一般的。

モーツアルトの作品は、19世紀の音楽学者、ケッヘル氏が全作品の目録を作ったが、その番号で識別されることが多い。

ルートヴィヒ・アロイス・フェルディナント・リッター・フォン・ケッヘル(ドイツ語: Ludwig Alois Ferdinand Ritter von Köchel, 1800年1月14日 - 1877年6月3日)<-WIKIより

アマデウスにも、サリエリと一緒に死の床のモーツアルトが、自分用のレクイエムを作るシーンがある。(これは、実話ではないようだが。)このモーツアルト最後の作品が、K.626 なので、モーツアルトの生涯の作品数は、600曲以上と説明されることが多い。

K.466は、モーツアルトのピアノ協奏曲の中で2曲しか無い短調の協奏曲で、モーツアルトのピアノ協奏曲の最高傑作と呼ばれている。

第一主題が、テレサ・テンの「つぐない」に似ている(本当は、「つぐない」が、K.466の第一主題に似ていると言うべきだが)哀愁の漂う素晴らしい旋律。
この時代のピアノ協奏曲は、様式が大体決まっていて、3楽章構成、第1楽章と第3楽章にカデンツァ(ピアニストがソロでアドリブで弾く部分)がある。

モーツアルトのピアノ協奏曲、特にウィーンに定住してから作曲し、自作自演の予約演奏会で発表した協奏曲は、出来たてホヤホヤで演奏したせいか、カデンツァが楽譜に残っていない曲が多い。

現在のピアニストも自由に弾けるはずだが、K.466のカデンツァに関しては、ベートーヴェン作のカデンツァを弾くピアニストが大半である。

小生が持ってるCDやYOUTUBEで確認しても、ベートーヴェン作以外のカデンツァを弾いているのは、クララ・ハスキル、アルフレッド・ブレンデル、エリック・ハイドシェックの3人だけだった。

K.466は、モーツアルトのピアノ協奏曲で死後も良く弾かれた唯一の曲なので、ベートーヴェンの他にも、ブラームス、クララ・シューマンなど多くのカデンツァが残っている。

でも、現在では、圧倒的に、ベートーヴェンが使われているのが、興味深い。


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