ヨーロッパ文化教養講座(1960年 イタリア・フランス映画 「若者のすべて」鑑賞記)
2024/01/03
ルキノ・ヴィスコンティ監督。白黒映画。
原題は、Rocco e i suoi fratelli (ロッコと彼の兄弟たち)。
5人の兄弟のうち、アラン・ドロンが演じる3男ロッコが主役の意味か。
コメントと感想:
1.物語は、イタリア南部(プッリア州の州都バーリからの列車だということがわかる)から列車でやってきた、母親と4人の息子が、ミラノ駅に到着するシーンから始まる。
この家族は、ミラノで結婚式を挙げようとしている長男を頼ってきたことがわかる。
2.貧しいイタリア南部から職をもとめて、多くの人たちが北部へ移り住んできたことを描写している。特に、4男チーロは、成績優秀でアルファ・ロメオのミラノ工場に勤務する。
3.物語は、兄弟5人それぞれにスポットを当てた章を、積み重ねる形で語られるが、羅生門のように、それぞれの視点から違った事実が見えるということではなく、あくまでも、話としては、一環している。
4.次男のシモーネが娼婦ナディアやチンピラ系の悪友に染まって、破滅していくが、母親や兄弟は最後まで見捨てることができない。
家族愛とその葛藤、都会の魅力とその落とし穴を描く。
5.シモーネがナディアを刺殺するシーンは、カルメンを刺殺するホセを思い出した。
6.家族主義のイタリアとアメリカ化するまでの日本には多くの共通点があると思った。
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