ヨーロッパ文化教養講座(2022年 スペイン・フランス映画 「パラレル・マザーズ」鑑賞記)
2024/01/09
よくある乳児取り違え事件かと思ったが、それ以上の深い話であった。秀作だと思う。
コメントと感想:
1.スペイン映画は、ほとんど観たことが無かったが、主演女優のペネロペ・クルスは、2017年の「オリエント急行殺人事件」に出演して、凄い美人女優だなと思っていたのですぐにわかった。
2.最後まで観ると三つの話が絡み合っていることがわかる。
1) 17才のアン(演 ミレナ・スミット)と、写真家のジャニス(演 ペネロペ・クルス)が同じ日に同じ病院でこどもを産む。この乳児が取り違えられた。
2)アンとジャニスが、再会してレズビアンの関係になる。
3)フランコ将軍の独裁に端を発したスペイン内戦で政治犯として処刑された、人々の遺骨を収集する事業が、ジャニスの故郷で始まる。この事業の中心人物がジャニスのパートナー。アンは、そのことに嫉妬する。
3.ペドロ・アルモドバル監督は、同性愛者であることを公言しているとのことだが、それにしては、この映画の男性の登場人物は、女優2人に比べて全くと言って良いほど存在感がないのは、どうしてだろう。
4.映像は、カラフルでスペインらしい光りと色に溢れている。
ピカソが「ゲルニカ」を書いたときは、内戦の酷さが、ピカソの目には、この色と光りを消し去って見えたのだろうなと思った。
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