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ヨーロッパ文化教養講座(フランス・モロッコ・ベルギー・デンマーク合作映画「青いカフタンの仕立て屋」鑑賞記)
2023/06/26
「テノール! 人生はハーモニー」の上映時間を勘違いして劇場に早く到着しすぎたため、時間調整で見た映画。
でも、結果的には、こちらの映画の方が心に残った。
「モロッコ、彼女たちの朝」のマリヤム・トゥザニ監督が、モロッコの伝統衣装カフタンドレスの仕立て屋を営む夫婦の愛と決断を描いたヒューマンドラマ。
海沿いの街サレの路地裏で、母から娘へと受け継がれるカフタンドレスの仕立て屋を営む夫婦ハリムとミナ。
ハリムは伝統を守る仕事を愛しながらも、自分自身は伝統からはじかれた存在であることに苦悩していた。
ミナはそんな夫を理解し支え続けてきたが、病に侵され余命わずかとなってしまう。
そんな彼らの前にユーセフという若い職人が現れ、3人は青いカフタン作りを通じて絆を深めていく。ミナの死期が迫る中、夫婦はある決断をする。
「灼熱の魂」のルブナ・アザバルが妻ミナ、「迷子の警察音楽隊」のサーレフ・バクリが夫ハリムを演じた。
2022年・第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、国際映画批評家連盟賞を受賞。
2022年製作/122分/G/フランス・モロッコ・ベルギー・デンマーク合作
原題:Le bleu du caftan
配給:ロングライド
コメントと感想:
1.モロッコのサレという港町が舞台なので、原語はアラビア語(だと思う。小生は聞いても全く解らない)。
雨が少ない地方だということが、水を大事にしていることで良く解る。
*WIKIによると、「(モロッコの言語は、)アラビア語とベルベル語が公用語である。国民の大半は学校教育で正則アラビア語を学習しつつも、日常生活ではモロッコ特有のアラビア語モロッコ方言を話しているため、他のアラビア語圏の住人とは意思の疎通が困難である。」と書いてある。
なお、サレについては、
*WIKIによると、(サレは)モロッコ第5の都市、2014年の統計で、人口890,403人とあるので、かなり大きな都市ではある。
2.主要登場人物は、仕立て屋とはいっても、繊細な手芸職人のハリムと、その妻で店を仕切っているミナ。そこに弟子入りする、若いヨーセフの3人のみ。
ミナは、病で死期が迫っている。ハリムは真面目な職人だがイスラム圏では罪にもなる秘密があり、ヨーセフもハリムと同じ趣味がある。
三人ともに、この点を除けば、現地では極めて普通の人たちである。
3.話は確実に迫っているミナの死への時間を少しずつ進めながら、ハリムとヨーセフが注文を受けている、美しい、カフタンドレスを仕上げていく。
4.カフタンドレスは満足のいく出来栄えで仕上がったが、ハリムは何故がそれを納品しようとしない。
そして、ミナの最後の時間が訪れる。
5.亡くなったミナをハリムとヨーセフが、海に面した綺麗なお墓へ運ぶ。
という物語。
淡々としているが、とても心に残る作品。
映画の上映時間を間違えたのが正解だった。
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