見出し画像

ヨーロッパ文化教養講座(2023年1月24日 反田恭平+務川慧悟 DUOコンサート鑑賞記)

2023/01/25
今年2回目の生演奏。
ここ10年で、多分2回目の大雪の中で、熱くて楽しいコンサートだった。

日時:2023年1月24日(火)開場 18時15分 開演 19時
会場:宝山ホール
プログラム:
1.ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 作品56b 
(I 務川 II 反田)
2.ルトスワフスキ:パガニーニの主題による変奏曲
(I 反田 II 務川)

20分間休憩
3.フォーレ:組曲「ドリー」
(I 務川 II 反田)注:この曲のみ一台ピアノ
4.ストラヴィンスキー:ペトリューシュカからの3楽章
(I 反田 II 務川)
アンコール:
5.ラベルの曲 務川慧悟独奏
ラヴェル:組曲「鏡」より 道化師の朝の歌
6.グリーグの曲 反田恭平独奏
グリーグ:トロルドハウゲンの婚礼の日

コメントと感想:

1)開演前に主催者(テレビ朝日系列のローカル放送局)の挨拶があるのも、地方公演ありありかと思った。お偉いさんは、どこでも挨拶がお好きとみえる。

2)ピアノDUOを聞くのは初めてだったので、Amazon MusicやYoutubeで1日予習をして臨んだ。やはり、PCで聞く音と、二人の生のみずみずしい音は曲は同じでも全く違う。アルヘリッチの名演奏も生には勝てないと思う。

3)観客から見て、左側のピアノは屋根を付けているが、右側のピアノは屋根を外している。
屋根がついている方のピアノの演奏者が、DUOでは、I(プリモ)らしいことはわかった。
客席がどこにあっても、二人の指使いを見られる機会があるのはありがたいと思った。
3.のドリーは、務川が低音側にいたので、一台ピアノの場合は、低音側がプリモかと思った。(ただ、ググってみると、曲によって低音側がプリモになったりセコンドになったりするようだ)

4)4.が終わってカーテンコールが2回あったあと、二人はマイクを持って登場し、トークを聞かせてくれた。

・まずは、せっかく日本列島最南端まで来たのに、大雪になってビックリしたという話。

・この日の公演が、6日連続だったので、忙しすぎて、地方の名物も食べる暇がなく、ホテルでルームサービスを頼んだり、コンビニ弁当だったりという話。

・3.のドリーの出だしで、思わず笑ってしまったことの釈明。(譜めくりの人は公演毎に変わるが、前の公演で、譜めくりの人の動作が可笑しかったことを思い出して、思わず笑ってしまったとのこと。この日の譜めくりは、完璧だったことを忘れずに付け加えた。

・それから、アンコール順のじゃんけん大会。務川君が勝って、4勝2敗とのこと。務川君が先行でラベル、反田君が後攻でグリーグ(ショパンは飽きた的な発言あり)となった。

本来なら、演奏会後サイン会があって、ときには600人のサインを一時間かけてすることもあるらしいのだが、この日は中止となった。
大雪の中、観客の帰りの足を考慮したことと、二人が予定を変更して、この日中に移動することになったからとのこと。

5) アンコールの演奏は、ソロピアノ

DUOピアノは、迫力は満点だが、音が混ざるので、二人のタッチなどはわからない。

務川君のソロピアノは初めて聞くことになるが、タッチが軽やかで、流れるような演奏だと思った。
務川君は確かパリで活動しているはずなので、フランスの作曲家の曲に合うタッチなのかもしれない。(反田君がワルシャワで、ショパンコンクールのファイナルの協奏曲1番を練習している部屋に、パリから駆けつけて、アドバイスをしていたシーンを思い出す)
ラベルのピアノ曲集のCDを出しているが、ドビュッシーなどの曲もいい音が鳴らせるのではないかと思った。

反田君は、「反田恭平サウンド」と名付けたくなるような、音の粒がハッキリしていて、強弱も完全にコントロールしているような音。特に、高音部の弱音トリルの音質はいつも、涙が出るくらい素敵な音である。このことを、このグリーグの曲でも再確認した。

同じピアノで弾いても、音色が違うのは、これもプロの技だといつも感服する。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?