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ヨーロッパ文化教養講座(100分de名著「シャーロック・ホームズ・スペシャル 第2回 鑑賞記)

2023/09/13
ホームズ・スペシャル 第2回で取り上げられた作品は、「赤毛同盟」と「唇のねじれた男」

どちらの作品も、題名は覚えていなかったが、あらすじの説明の途中で結末を思い出した、印象深い作品。

「赤毛同盟」は、知らず知らずの内に、犯罪を手助けしていたという話。
「唇のねじれた男」は、実際は何も犯罪は起きていないが、表面上は犯罪に見えたという話。

コメントと感想:
1.ホームズが登場した時代は、イギリスが産業革命で世界の覇者になろうとしている、19世紀の終わりごろ。
貧富の差が拡大し、スラム街ができて、「切り裂きジャック」のような猟奇的犯罪が生まれた。科学捜査は犯罪の増加に追いつかず、スコットランド・ヤードの自白と目撃者に頼る捜査では、犯罪者の検挙率は一向に改善しない。
そこで、市民は、ホームズのような名探偵を登場を望んだ。

2.第1回で述べられていたが、ホームズ作品の魅力の一つは、事件があくまでも、ワトソンが体験したこととして描写されていること。それによって、読者はワトソンと一緒に天才ホームズの解き明かす謎を堪能することができる。

3.「赤毛同盟」では、集められた赤毛の人たちの詳細な描写が、事件を怪奇で複雑なものに見せる工夫がしている。
「唇のねじれた男」では、愛する妻に隠し事をしていた男に対して、ホームズから愛情を込めた叱責が述べられている。

ホームズが古典として今でも愛読される理由がわかった気がした。

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