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ヨーロッパ文化教養講座(2000年アメリカ映画「ショコラ」鑑賞記)

2024/02/27
3回目の鑑賞。毎回新たな発見がある不思議な魅力のある映画。
今回は、カーニバルからイースターの時期に、超保守的なカトリックの街で、チョコレート屋を開店するということが、いかに常識外れなのかを発見した。
名女優ジュリエット・ビノシュの魅力が最大限生かされている映画だと思う。

「ギルバート・グレイプ」などの名匠ラッセ・ハルストレムが、「イングリッシュ・ペイシェント」のジュリエット・ビノシュ主演で描いたファンタジックなドラマ。

ジョアン・ハリスの同名小説を原作に、不思議なチョコレートを売る母娘が因習に囚われた村に変化をもたらしていく姿を描く。

古くからのしきたりに縛られたフランスの小さな村。
北風とともにこの土地にやって来たヴィアンヌとその娘アヌークは、孤独な老女アルマンドから店舗を借りてチョコレート店を開く。

村人たちはヴィアンヌが作るチョコレートの不思議な美味しさに魅了され、心を解きほぐされていく。

しかし厳格な村長レノ伯爵はそれを快く思わず、村人たちにヴィアンヌの悪口を言いふらしてチョコレート店への出入りを禁じてしまう。

「ギルバート・グレイプ」でもハルストレム監督と組んだジョニー・デップが、ヴィアンヌと交流する青年ルー役で共演。ヴィアンヌの娘アヌーク役は「ポネット」で注目された子役のビクトワール・ディビゾル。

2000年製作/121分/G/アメリカ
原題:Chocolat
配給:アスミック・エース、松竹
劇場公開日:2001年4月28日

映画.com

コメントと感想:
1.北風に命令されたように、娘アヌークを連れて見知らぬ土地へやってきたヴィアンヌ(演 ジュリエット・ビノシュ)。
メリー・ポピンズが東風にのってバンクス家にやってくるシーンを思い出した。

2.二人が街に着いたのは、カーニバルの後の灰の水曜日(イースターの46日前)付近。灰の水曜日から四旬節(レント)に入り、この期間は、食事の節制と祝宴の自粛が行われる。
この街は、敬虔なカトリック信者である市長のレノ伯爵が統治しており、伝統に従わない人は「村八分」にあう。
このような街でレント期間にチョコレートを販売するなどもってのほかだと、レノ伯爵は考える。

3.レノ伯爵の頑な態度は、新約聖書でイエス・キリストと対立する、ユダヤ教の祭司たちを思い起こされる。
律法を守ることが、人々の病を癒やすことより優先する人たちである。

4.そこに、青年ルー(演 ジョニー・デップ)をリーダーとするヒッピーの団体が舟で街へやってくるのだから、話はさらにややこしくなる。
しかし、ハッピーエンド。


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