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個人クリエイターみんな厳しすぎてこわいよ

めっちゃ多方面から怒られが発生しそうなこと書くんだけど、わたしは("正しい"かはともかく)合理的なことを言っていると自分では思っているので、なにか批判があれば議論したい。もし指摘されたことがたしかに合理的だと思えばわたしはすぐそこで考えを改めるタイプです。怒られそう&嫌われそうすぎて今まで公開垢では書けなかったのだが、深夜テンションもあってどうしても書きたくなっちゃった。

正直、個人クリエイターのみなさんはかなり厳しい感性を持っているとわたしは感じている。わたしがハンドメイド系の創作をやっているので、わたしがクリエイターの話をするときは基本ハンドメイダーのことを指している。そのため他のジャンルの創作には当てはまらない話もあるかもしれない。
「厳しい」というのは、たとえば「無言キャンセルしたら今後の取引全拒否」「『イベントに行けない』『買いたいけど買えない』とかリプするな」「不用品処理としてであってもフリマサイトで転売するな」みたいなところである。ほとんどのクリエイターが「なんで?!それが厳しいって言われることある?!」と反応することが容易に想像できるくらい、ハンドメイド界隈では共通認識と言ってもよい意見だとは思う。

よくある無言キャンセル取引拒否についてまず物申させてほしい。
わたしは無言キャンセルを同じ人に二度まではされたことがあり、一度の無言キャンセルなら数えきれないほどある。それでも取引拒否をしたことは一度もない。
そしてこれは本質情報なのだけれど、無言キャンセルをした人のうちかなりの割合で、その後再注文してちゃんと支払ってくれる人がいる。ちなみに二度無言キャンセルした人は、三度目に同じものに加えてもう一点追加して購入後、しっかり支払ってくれた。
ちなみにわたしは、基本的に支払い期限1日前か当日になったら「支払い期限もうすぐなので気をつけてね」のリマインドメッセージを送るようにしている。ほとんどの人はそこですぐ支払ってくれるが、それでも無言キャンセルになることはある。
「支払い間に合わないなら一言くらいなんか言え」というのはもっともな意見だしかなり多数派なのだけれど、だいたいの人ってたぶん支払い期限そのものを勘違いしているか支払いのタスク自体を忘れちゃってるんだと思うんですよ。そしてそういう人たちは、スマホの通知バッジを何十何百何千という数字になるまで放置して画面中のアプリが通知バッジまみれになっているようなタイプだという偏見があるし、おそらくその偏見は正しいと思っている。そんなところに通販アプリだろうがメールアプリだろうが通知の数がひとつ増えたところで絶対気づくわけがない。メールは細かくチェックする人がギリ多数派だと思うが、差出人が通販サイトと見た瞬間未読放置にする人は多そうだし、それに買い専の人がこまめにminneとか開かないでしょう。そりゃリマインド送っても意味ないんだわ。
あとはレアケースとして、突然倒れて入院してました的な「不可抗力ケース」も一定数いるはずである。実際わたしがたびたびそうなる。わたしの場合、通販はほぼクレカ決済でしているので、「突如入院になってスマホ触れていない間に何か売れてしまっており無断で発送期日を超過」のケースばかりで、逆にもっとやばいんですけどね。

無言キャンセルの何が嫌われているかを見てみると、「売れたと喜んでいたらそれが無になるがっかり感」「梱包までしてしまったので梱包資材と労力が無駄になる」「受注生産の場合、注文直後から制作に取り掛かっているので、それが無駄になる」あたりが多いようである。
一つ目については、わたしは「支払い確定するまで売れたと思っていない」という心持ちの人間なので、正直「注文入っただけで喜んでしまう」という点を変えなければ解決しない問題であり、たぶん一番どうにもならない。
二つ目と三つ目については、ストレートに言うとあなたがせっかちすぎるんですよとしか思わない。
そもそも発送期日ってなんでしたっけ。「注文した時点からの日数」じゃなくて「支払い完了した時点からの日数」じゃないですかね。じゃあ即時決済の注文を5日以内に発送しているのであれば、コンビニとか銀振りも入金確認した瞬間から梱包・制作し始めても5日以内に発送できるんじゃないですか。
受注の場合、「制作に取り掛かってしまう」以外にも「金具・材料を発注してしまう」などもある。たしかに早く発送してあげたい気持ちはわかるし、非常に正しいサービス精神だとは認める。特に受注だとふつうかなり待たせてしまうので、1日でも早くしたいと思うのはとても理解できる。
でも、でもですよ、あなたの作品の売りって、「発送が早いこと」にしかないんでしょうか。どんなに待ってでも○○さんの作品が欲しいんです!と言わせる魅力は、オリジナリティは、ないんですか。発送がちょっと遅くなったくらいで全否定されるようなものしかあなたは作れないんですか。もっと厳しいこと言うよ。発送期日の短さだけで選ばれるって、それはもはやメルカリの不用品処理なんですよ。
あと発送期日は「自分がなるべく早く発送できるギリギリの日数」を設定せず、2-3日は余裕を持たせて設定すると不測の事態にも対応できておすすめ。突然の悪天候・急な用事・ちょっとした体調不良くらいの「不測の事態」は、5日の発送期限を1週間にするだけでかなりカバーできる。

次の「『行けない・買えない』ってリプすんな」についてのわたしの意見、行きます。
たしかに「行けない」「買えない」は、なんというか「建設的じゃないこと言うな」みたいな感覚でやめてほしいと言われているのだと思う。しかし、それらを言われる時というのはたいてい「今回は仕事が重なって行けなくて残念ですが応援しています」「ちょっと貯金厳しいので買えませんが、ずっと大好きです」といった、完全にマイナスの言葉ではないはずだ。「でも結局利益にならんのよ、こっちは商売なんであって応援だけじゃ食って行けないねん」は正しい。しかし「応援されてるだけで嬉しいじゃん!贅沢言うな喜べ!」という話をしているのではない。
イベント行けなくてもイベントの告知をRTしてくれる人、なんとなく好きだけど自分は買うほどではないにしても知人に勧めて回ってくれる人、今はお金がなくてもバイト代をこつこつ貯めていつか買ってくれる人、そういう人たちは「利益をもたらさない」と言えるだろうか。それでも「だとしてもわざわざそれをこっちに言う必要ないじゃん」という人もやはりいるだろう。まあそこはまた心持ちの問題で、わたしはそういう場合も無反応より何かコメントもらえた方が「ちゃんと誰かに届いているんだ」という実感が持てるので、全然嫌だとは感じない。むしろ嬉しい。
ですが!そういうわたしでも「実際直接的に利益をもたらす人(=買ってくれる人)」とそのように「間接的に利益をもたらす人」との間に区別はつけます。ファンを差別するのか!と言われましても、悪いけどこちらも商売でして、逆に聞くけど「ライブ販売限定グッズ」「有料ファンクラブ限定特典」「累計購入金額に応じてポイントアップ」あたりにも目くじら立ててらっしゃるんですかね。わざわざ交通費も時間も割いて会いにきてくれた人やたくさん買ってくれるリピーターを優遇しない方がどう考えてもおかしいでしょ。

「不用品処理としてであってもフリマサイトで転売するな」を厳しすぎるというのがおそらく一番反感を買うかもしれない。
マジの本音を言うと(これはわたしが「一点もの作家」でない上に転売目的買い占めを受けるような作風でないからこういうことが言えてしまうのは自覚しているが)「定価以下での不用品処理出品はなんら問題がないと思っているし、定価以上での転売については『そこまで意味あるんか??』とは思うけど勝手にやってろ」くらいの感覚である。
ちょっとまず後段について弁明させてほしい。まあわたしの作ったものの高額転売がフリマサイトに溢れて逆価格崩壊が起こるみたいな事態が起こったことがないしおそらくこれからも起こらない作風だから呑気なことが言えるのは認める。前まで自家通販は年中開けてて、在庫を切らすこともほぼなく、委託先からも通販・店頭ともにいつでも買えるという状態だったから、「高額転売してもわざわざお前のところで買うメリットが買う側にほぼないぞ」という意味での「そこまで意味あるんか??」である。そしてそこから買う人については(実際定価以上で売れているのを確認したことはある)「情弱だねぇとは思うけど、メルカリで買えば売上金とかポイントとか使えますしね、メリットがなくはないのかな」と思う。今は自家通販も開けず委託先での在庫も極薄状態なので、とりあえず今見たらメルカリで定価以上転売が2件あったが、まず何よりも「作れていないので自業自得」という感情である。「ものさえ手に入ればいい、作家から直接買うことに意義を特に感じない」という人がそこから買うのは別に止めないです。
「作家から直接買う気がない人は作品を大事にしてくれない人」という認識は偏見みたいなものだと思っている。「作家から直接買いたい!」という思いがかなりものそのものより「作家個人」≒「ブランド」に価値を見出している感がある気がしていて、なんというかそれって「新しいiPhoneが出たら毎回買うApple信者」的なところがあるのではないだろうか。ブランドを把握せずとも大事に使っている持ち物など誰でもいくらでもあるだろう。わたしはもちろんわたしという作家を認知してファンになってくれたらこの上なく嬉しいが、わたしが作ったという情報なしに「このネックレスお気に入りなんだよね」と愛用してくれている人がいるのなら、それもまた充分に嬉しい。

不用品処理で定価以下販売なら許す、というクリエイターはそこそこ見るが、今まで見た中で一番びっくりした"過激派"意見は「不要になったら売るのは論外で無償譲渡も嫌、ゴミとして捨てて欲しい」というものである。これはガチで何も理解できない。理解できないというか、「不用品処理されているものを買って/人から不用品としてもらって満足されてしまい自分の売上が減るのが許せない」からそう言っているとしか思えなくて、「売上が減るくらいなら作品が新たに大事にされることよりゴミとして葬られることを選ぶんだ…」というドン引き。へえ…自分の生み出したものにそこまで全く愛情ないんだ…すっご…じゃあ創作なんかやめれば…もっと稼げる商売いくらでもあるよ…

定価以下での不用品処理については、「正当な料金を払って手に入れた以上所有権がその人に渡っており、ハンドメイド品だからといって特別扱いされる理由はないので、一般の不用品処理と同等に扱うべき」だという考えである。まあその理屈から別に「定価以下の」不用品処理のみ問題がないというわけでなく「最初から転売目的で購入し、他の人が正当な料金で入手する権利を阻害している」でなければ実は問題ないと思っている。定価以上で売れているのを見たらそりゃクリエイターはいい気はしないだろうが(「自分の作品にこんなに価値をつけてくれたんならその分を制作者本人に直接還元しろや」がほとんどのクリエイターの気持ちだと思っているけど合ってそう?)気持ちの問題を抜きにしたら何もそれを止める合理的理由がないのではないか。「気持ちの問題も大事だろ」はそうだけれど、「気持ちの問題」は強い禁止理由にはならず弱い禁止理由にしかならないというのがわたしの立場である。すまんて、合理性至上主義なのよ。批判をされるのは歓迎だし「なるほどこういう視点もあるのか!」というエウレカが欲しいのでほんとに色々聞けるなら聞きたいけど、合理性至上主義は人間性大転換がない限り変わらないので、「合理的かどうかより感情が大事だ!」と言われても「あなたはそういう立場なんですね、でもわたしは大前提が違うのでそれは違うと言いますよ」と返します。

こんなことだらだら書いてないで寝ろ、起きてるんならデザフェスの準備しろと言われたら自分の非合理性で窒息死してしまうのでなるべくやめてください。よろしくお願いします。

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