大喜利合同誌ExT Vol.1の感想

三ル貝さんが主宰となって制作された同人誌、大喜利合同誌ExT Vol.1がついに届いたので、早速読みました。

これは素晴らしい、色んな感情が溢れ出る……! と思いながら読了し、早速感想を書こうと思い至ったのですが、Twitterで全てを投稿しようとすると140字の制限から溢れ出てしまい、かといってツリーにするのは可読性があまりよろしくない……。

そんなわけで、実際に投稿したのは以下のツイートになりました。

……これじゃ伝えきれない!

もっと長々と書きたい。それなら長々書ける媒体を使えばいいじゃないか。ということで、各作品の感想をnoteにまとめることにしました。なお感想は合同誌の掲載順に並べてあります。

北戸田スイッチさん

北戸田スイッチさんの作品は、ご自身の大喜利の経歴がまとめられたもの。漫画を描くのは初とのことですが、完成度が極めて高いです。

北戸田さんは色んなサイトでお見かけする度にお強くて、個人的に前々から憧れていた方なのですが、この漫画を読むとやはりその強さは努力によって培われてきたんだということがよく分かり、私も努力を怠ってはいけないなと再認識。憧憬の念が強くなりました。

そして、ネット大喜利を始めてから半年で生大喜利に参入するバイタリティも凄いなと。私はまだ生大喜利を経験していないのですが、作品から伝わってくる、温かくも真剣な雰囲気も相まって、益々生大喜利に対する興味が増しました。

あと表情の描き分けが好きです(特に「どっ」のコマ)。

たいらさん

たいらさんの作品は、三ル貝さんのツイートにもある通り、一次創作。

何より驚いたのが、漫画に詳しくない私でも凄いと思う、絵と構成のクオリティ。たいらさんの絵の上手さは存じ上げていましたが(「オオギリーヨ」大好きです、保存してます)、漫画も素晴らしくて、この二人の物語の続きが読みたくて仕方がありません。クセのありそうな大喜利仲間のメイン回とか、小野澤さんが高橋くんのライブを見に行く回とか……。

……連載してほしい!

多部さん

多部さんの作品は四コマ漫画。

ほっこりとした絵柄だと思っていたら、突如画風が変わったり、写真が使われたり、内容もかなり奔放(勿論良い意味です)で面白かったです。中でも「見せ方」の漫画は、生大喜利未経験の私にとって特に参考になりました。

そして「ボードマスター」というペンが良い、ということもこの作品で知りました。強そうな名前。

ワッショイサンバさん

ワッショイサンバさんの作品は、ご自身が生大喜利に持参されているものをまとめた、実用的な内容。扉ページの元ネタは残念ながら存じ上げず……。

道具類の話は勿論のこと、それ以上に「そうか、生で大喜利をやるっていうのはそういうことなのか……」と思わされる内容で、非常に参考になりました(どんな内容かは実物を読んでいただいて……)。

あと、またボードマスターが出てます。人気スゲ!

フニャダキシンさん

フニャダキシンさんの作品は、ご自身の経験を元にしたもので、何といってもその作風から漂う哀愁が魅力。

ウケを求めて、ネット大喜利と生大喜利を股にかけて奮闘するさまは胸が熱くなります。そこからオチへの急展開も面白かったです。モブの書き分けも細かくされていて、これはきっとモデルになった方がいらっしゃるんだろうなあと、生大喜利未経験なりに考えたりしました。

「蟹亮子」に対するボケ、私は好きですよ!

千代園ジャンクションさん

千代園ジャンクションさんの作品は、ご自身の経歴や思い出がまとめられた四コマ漫画。

千代園さんも漫画を描くのは初らしいのですが、やわらかな画風で描かれた大喜利の回答やギャグが非常に心地良い。個人的には墓石のコマがめちゃくちゃ好きです。

千代園さんを表している、顔が「罪」になっているウサギのヴィジュアルからも、かなり鮮烈な印象を受けました。是非今後も漫画を描いていってほしいと思っております。

エーゴさん

エーゴさんの作品は、ご自身の経歴がまとめられたもので、とにかく情報の密度が凄まじいです。7ページに入るギリギリまで内容が詰め込まれている印象。

ベテランプレイヤーであるエーゴさんが語る自らの経歴は、アマチュア大喜利の歴史としても読むことができ、当時を知らない人間にとっては新鮮に感じられるとともに、とても興味深い作品でした。多くの先人が作り上げてきたものの上にいさせてもらえる幸せ(私なんざ一番端ですが)。

あと本筋とはあまり関係ないかもしれませんが、大喜利国勢調査が非常に気になりました。2年後も大喜利をやっていられるように頑張ります。

ギャルさん

ギャルさんの作品は1ページのイラスト。サンプルでは大半が伏せられているので、内容の言及は控えますが、こういう方が生大喜利を支えているんだなあと、生大喜利を全く知らないなりに思いました。

そしてまたもボードマスターが! 流石はマスター。

栃木ゆにさん

栃木ゆにさんの作品は、ご自身の経歴がまとめられたもの。

初出場初優勝で幕を開ける大喜利歴って凄いなと思いつつも、読み進めていくと明らかになる様々な苦悩。それでも自分なりに大喜利を楽しんでいく姿を見て、私もこうありたいなと思いました。

私は、人前で回答する生大喜利のスタイルにまだ一抹の恐怖を抱いているのですが、この作品に描かれているような、ある程度ライトな(実際どうかは分かりませんが、私はそう感じました)大喜利会から初めてみるのも良いかも、と思い始めています。

三ル貝さん

主宰である三ル貝さんの作品は、ご自身が得意とする「最速レポ漫画」のスタイルで描かれたもの。

ご自身の経歴と、この合同誌を作ったきっかけが主な内容になっているのですが、特にきっかけの話が印象的でした。自らの欲求を原動力にして、最終的にないものを生み出すことができるのは本当に凄い。

印象的な言葉も多く(絵回答に対する姿勢など)、中でも「本っていいですよね みなさんどんどん出そうね」という記述には大いに共感しました。大喜利をやられている方の文章とか、絵とか、そういったものをもっと読みたいですし、ゆくゆくは本を作れたら最高じゃないかと。私も色んな人に呼びかけて本を出せるくらいの実力をつけたいです。

あふろだんぺ〜さん

あふろだんぺ〜さんの作品は、作風こそファンタジーですが、内容はご自身の経歴。

あふろだんぺ〜さんはアメーバピグ出身とのことで、大喜利って場所を選ばないんだなあと改めて実感(私も大喜利専用ではないサイトで大喜利をしていたので)。そして生大喜利初心者あるあるが怖い!

ベテランの方の実体験に、ファンタジーの壮大なスケールも相まって、トリに相応しい引き締まった作品になっていると感じました。

そして、気になるモブキャラがいっぱい。個人的には太鼓のお化けみたいなやつが好きです。

総括

冒頭のツイートにも書きましたが、この本は寄稿者の方々の大喜利に対する愛と熱意に満ちていて、いつも漫画を読むときはブワーッと速読してしまう癖がある私も、大喜利への情熱をお裾分けいただくような感覚で、じっくりと読ませていただきました。

全て読み終えて感じたのは、やはり生大喜利への憧れでした。正直、いきなり大会形式の場に出るのは、流石に自分の精神が持たない気がしているので、初心者向けの会とか、クローズドな会とか、そういったところから少しずつ参入していけたらいいなあと。いつになることやら、という現状ではありますが、それまでにもっと実力をつけたいと強く思いました。

そして、先述した通り、この合同誌は大喜利への愛と熱意の塊で、「大喜利ってこんなに楽しい、面白い」という思いが伝わってきます。複数人の手によるものなので尚更。今後自分が大喜利で挫折したときは(というか殆どずっと挫折してますが)、自らを奮い立たせるために読み返したいと思います。

また、三ル貝さんのツイートによれば、Vol.2の発行も予定されているとのことなので、今からそれを楽しみに大喜利を続けていこうと思っております。その頃には生大喜利デビューを果たしていて、現地で購入出来たら御の字。

あと、生大喜利に参加すると決まったら、ボードマスターだけは絶対に買います!


ところでこの合同誌、販売場所は大喜利カフェボケルバの店舗及びメロンブックス通販となっていますが、この記事を書き上げた時点で店舗在庫は僅少、通販は売り切れという状態……。

ただ、増刷・再販も予定されているとのことなので、逃した方はその機会に購入されることをおすすめします。絶対買ったほうがいいです。というか買ってくれ! 制作には1ミリも関わってないけど買ってくれ!


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