抜き書きノートの索引を自作する

過去にこんな記事を書いた。

読書をした際に、未知の情報だったり視点が新しかったり、単純に面白かったりした記述を、抜き書きしてまとめておくためのノートを作っている。この記事を書いている時点でノートは4冊目に突入し、抜き書きを始めてから読み終えた本は70冊を超えた。

忘れっぽい性格を補うための備忘録として始めた抜き書きだが、長く続けていくうちに、ただ蓄積していくだけでは限界が見えてくるというか、何のためにまとめているのか、という問題が生じてくる。読み返すことはあれど、即座にピンポイントで目当ての情報に辿り着けるかというと、そうではない。情報の持ち腐れのような気もしてくる。

そこで、索引を作ることにした。

ミニルーズリーフを使った索引

使用するのは、ダイソーでも買える9穴のルーズリーフと厚紙、そして単語カードなどに用いる小さなリング。

まずは厚紙をカットし、表紙を作る。ルーズリーフより一回り程度大きくカットするのがポイントである。そうすることで、中のルーズリーフが破れたり皺がついたりする可能性が低くなる。

左上に穴を開けたら、リングを通し、ベースは完成となる。あとは肝心の中身を追加していくだけで、ハンディサイズの索引が出来上がる。

索引の内容

索引自体は、抜き書きした内容に応じて見出し語を設定している。「恐怖」にまつわる記述をまとめたページ、「言語化」についてまとめたページ、などなど。一つの抜き書き文に複数のキーワードが含まれる場合は、それぞれのページに収録していく。

索引用の記述は、パッと見て内容が思い出せる程度に簡略化しながら箇条書きでまとめている。
例えば、「あれ、『大学は出会いの場』みたいな文ってどこで読んだんだっけ……?」となった場合は、「大学」のページを開くと、「大学は、学問・研究者・勉強のためのリソース・ともに学ぶ仲間との出会いの場 ⇒ 4, p.355」という記述に辿り着く。私の抜き書きノートにおける4番のページを開くと、そこには対応する『教養の書』(戸田山和久、筑摩書房)の抜き書きが並び、上記要約の原文もそこに書き記してある、といった具合である。少々煩わしいと思われるかもしれないが、私にとっては使いやすい。

電子化するか否か

当初は電子化も考えていた。やがて膨大な量になるのは容易に想像がつくし、データを書き加える回数も多いとなると、電子化するメリットのほうが大きいように思える。検索が一発で行えるという利点もある。

しかし、感覚というか好みの問題ではあるのだが、電子データには「蓄積感」が無い。自分が蓄えた様々な情報が、明確な質量を持って増殖していくことの快感は、電子データでは味わえない。
私は何をやるにしても、自分が如何に楽しく、快くやれるかを第一に意識している。楽しさなくして継続など有り得ないのである。だからこそ、自分が納得して行えるスタイルとして、敢えて紙の索引という体裁を選んだ。

もしかしたら、今後何かのタイミングで無理が生じて、電子化を余儀なくされるかもしれない。そのときはそのときだ。テキスト入力も頑張って楽しむしかない。

野望

索引づくりは割と自分の性に合っていると感じる。元々MediaWiki界隈に親しんでいたこともあり、何かをまとめ上げることが好きなようだ。
また、私は文章の中から誤字脱字を見つけるのが得意なのだが、そういうスキャン能力(?)を組み合わせれば、上で列記した本に書かれていたような、様々な書籍の索引を自作することも可能な気がしてくる。

目下最大の目標は、先述したMediaWikiで星新一の作品等をまとめるプロジェクトの参考資料として用いている、『星新一の思想 予見・冷笑・賢慮のひと』(浅羽通明、筑摩選書)の索引を完成させることである。この本には星作品のタイトルを探せる索引は存在しているものの、関連人物や論説のキーワードを辿るのが少々難しく、また電子書籍化もされていない。そこで、索引を自作し、資料としてフルに活用してしまおうではないかという魂胆である。

とはいえ、気が向いたときに少しずつ進めるのがやっとという現状ではある。どれだけ時間がかかるかは分からないが、いずれ完成させたい。

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