今更ながら思う抑えという仕事の過酷さ

やはり抑え投手というのは簡単に替えが利くポジションでは無いので、勿論監督がこう言うのは分からんでもない。


だが、今年は9回打ちきりという特殊ルールである事が、抑え投手に色々な面で影響が出ている気はする。

かつて高津監督ご自身も仰っていた事に「抑え投手は最後に1点でもリードしてイニングを終われば良い」と。これは本当に仰る通りで、勝手終われば良いんだから精神的に図太くあれという事だが、今年の場合はそれが当てはまらないケースも増えているのかなと。具体的にはルールが変わって抑え投手を使ってまで『引き分けを取りに行くような試合が増えている』事。

その影響もあって物理的に抑えが同点での登板機会も増え、例年以上に抑え投手は精神的にも肉体的にも負荷が掛かっているのではと。

勝ちパターンのセットアップの7,8回の人達は、同点の最終盤で登板する事は日常茶飯事で、勿論1点も失えないような状況での登板は厳しい仕事だが、年間ずっとセットアップの仕事をやると、使う方のベンチサイドも「普通にやりゃ2つ3つの負けは付くのは普通だし、確率的にそういう形での負けが出るのは仕方無い事」とは思っているはずだし、セットアッパー本人達も当然完璧を目指して毎登板ホールドや味方が勝ち越しや逆転した勝ちだけが積み上がる事を目標にしているとは思うが、心のどこかで「そんなに毎回完璧に行く訳はずもない」という失敗したときのメンタル面の切り替えはしているはず。

本来は基本的に勝つ事に限定(通常年でも延長の最後で抑え投入で引き分け取りに行く事はあるけれども)して使われていた抑え投手が、今年は従来の抑えの仕事に加えてセットアッパーの領分の仕事まで担っているケースが生まれていて、想像以上に負荷が大きいと思われる。


勿論、今日の監督のコメントを読む限りは「大丈夫、お前なら乗り越えられるはず」という期待を込めての石山への叱咤ではあるのは理解出来るし、監督自身も超一流のクローザーであったからこそ石山の辛さの大半は理解できているはず。

だが、今年のルールの特殊性から来る「同点でもバシバシ使われる」という部分までは高津監督も現役時代には経験していない部分かとは思う

監督のコメントを聞く限り、近々の抑え投手の交代は無さそうではあって、外野がいくら騒いだところでそれは変わらないとは思う。だが、石山の負担がどれほどかは一考してあげて欲しいなと思う。

ちょっとした事で言うと…ホームだと今日のような同点の9回表の登板は往々にあった事だが、ビジターの9回裏の引き分けしか取りに行けない9回の登板を少し減らしてあげるとか、ちょっとした気遣いみたいな部分だとか。そういうケースで石山を使わずに負けたとしても「今日は石山の負担を減らす為に使わないと決めていた」って説明があれば、そういう負けは自分は納得して受け入れられるので。

今のままの状態で使い続けると、石山が潰れてしまいやせんかとちょっと心配ではある今日この頃。



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