プロの批評を借りて言うのもズルいですけど前から言ってはいたので敢えて。

開幕3連戦、競って負け、先発が試合を壊し、遂には為す術無くの3連敗。

特に2,3試合目で目立ったのは配球の事。

NHKBSの中継では藤川球児さんや宮本慎也さんにも指摘されていたし、さっき見たばかりの里崎さんのYOUTUBEでも概ね同じ事を指摘されていた。

玄人では無い自分ですら試合を見ながらでも思った事だし、あんだけ同じ人に同じ打たれ方していたら、そりゃ問題無い訳無いでしょうねえというお話。


自分はよく中村のリードを「オーソドックス」だと表現をしてきた。

どんなリードをしたとて配球って結局は結果論な部分もあるし、投手・捕手・打者がどう考えていたかまでを正確に推し量ることは出来ないので、善し悪しは絶対に付いて回るモノ。これは大前提ね。

だが、投手が能力高く指示通り投げてくれるという事であれば、無難に組み立てて行けば大怪我はしにくいし、ゲームも壊れにくいというメリットはある(小川は能力的にも中村の要求にある程度応えうるのでゲームは破綻しなかったですよね)し、大枠のベーシックな攻め方が固まっているという事は決して悪い事では無くて、長いシーズンを見据えた場合、ここぞの勝負という試合、ここぞの勝負所という大事な一打席の勝負でポンと意外性のある組み立てを挟む事で、大きなプラス効果を発揮しうるという点がプラス面。

だが、一方で打者に対しての意外性や攻撃性みたいな部分は希薄ゆえ、バッターが「そりゃ全然待って無かった…」みたいな事は当然少なくなるし、ボールの見切りもされやすくなるし、空振りも余り取れないという傾向にはなる。あとは傾向が余りに偏りがあるとなれば当然読み負かされる場面は増えてしまうとので、そこがデメリットもある。

土日の2試合に関しては里崎さんには「ビビりすぎなんちゃう?」とズバッと一刀両断で斬り捨てられてしまったし、これも自分は何年か前から中村の配球は少々捕手本位で投手にとって窮屈な配球に見えるという事は度々言っていたが、藤川さんが正にそこをズバリと指摘されていた。

配球の組み立てって結局は押し引きのバランスのさじ加減で成り立っている訳で、そこの部分で『引き過ぎてしまった』が故に(里崎さんはそこをビビり過ぎと仰った)あの結果になってしまうという事。

勿論投手の能力的な問題でセオリーを余り踏み出さない配球のメリットが出ないという事もあると思うが、それならそれで捕手はどこかで腹括って見切りを付けないと結果は何も変わらない。漫然と同じ事をやっていてはただただ自分達が苦しくなる一方で当然打たれやすくなる(ここが藤川さんに指摘された配球が窮屈という部分)。捕手の理想だけでバッテリーワークが成り立つ訳ではないのだから。

ならば投手の苦手な部分は上手く撒き餌に使って、得意な部分を上手く引き出すなど、投手に「投げさせる」のではなくある程度投手本位で「投げてもらう」ようにシフトするとか、捕手だけの思考で言えばとことん打者の待ちの裏を掻くようなイレギュラーな部分を打者に植え付けて勝負していくとか、打者が投手の得意とする特徴の部分に狙いを定めているとかであれば逆に投手が苦手としている球でもそれを多用しても打たれないなんて事もある訳で、何らか工夫は必要にはなるでしょうというね。


あとはツイートもした部分で、里崎さんが仰っていた「みんなが石川じゃないんだから」という点。

これは本当にその通りだなと。石川の緩急の使い方だとかは元々ストレートの速度域が高くなく若い頃からずーっと突き詰めてきた匠の技の領域であるという事、加えて加齢による衰えを如何にカバーしていくかという事で更にブラッシュアップされていく部分でもある。前に現状の石川に対してかなり率直に厳しい意見も書いたがもう現状のストレートは正直見せ球にしかならないという厳しい現実もあってのここ何年かの変化球多用のスタイルになってきている事は否定は出来ないはず。

確かに石川のように長くプロで生きてきた人に倣うというのは間違った事出はない。だが皆が皆、投手個々人から捕手やバッテリーコーチまでが「石川さんのスタイルがお手本」みたいに崇拝するようなのは明らかな間違い。

捕手がそういう考え方に拘泥してしまうと石川以外の投手とバッテリーを組んだ時、年齢や特性が違う投手の持つ本来の良さを消してしまいかねない。当たり前だが投手一人一人に個性があるのだから捕手も思考に柔軟性を持たないと話にならないでしょと厳しく指摘しているのはそりゃその通りというね。ノムさんは困ったら原点とは言ってはいたが、石川は原点では無い。

この3連戦で言えば一番長くマスクを被ったのは中村で、批判の多くというかほぼ全ては中村に対するモノという事になるのは否定出来ないが、去年などは西田の方が沢山マスク被っていたし、結局のところ本質的な部分は何年も変わっていない問題。もう中村個人に限った事では無く、バッテリーワーク全体に問題山積っていうのは明らか。

開幕3戦、スローガンの進化・進価・心火、何ひとつ見えねえじゃん…と嘆きたくもなる状況だがまだ3戦。失敗も早いうちならリカバーはまだまだ可能。古田さんだってね「いやね、打たれないに越した事は無いけど試合序盤にソロ一本打たれるくらいはエエのよ。それを撒き餌に終盤の大事な場面で抑えりゃいいんだから」と仰っていた。まあ古田さんの場合は序盤に撒いた撒き餌を自分で打って回収した上で勝っちゃったりもしていた訳で、そういう「ゲームの組み立て」が出来てしまうのが捕手として偉大であった所以ではあるのだけれどもねw。


これだけ失敗したら何か変わる決断する契機にはなるはず。好転を望む!

3つ負けたんなら少なくともどっかで3つ取り返そう!

反骨「心」に「火」を付けて、プロの「真価」を見せて、「進化」を感じさせて頂きたい。

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